カテゴリ:不安の特徴と役割、欲望と不安の関係
歳をとると、目が見えなくなってくる。老眼鏡が手放せなくなる。
髪が抜け落ち、歯が抜けてくる。筋肉が落ちて痩せてくる。 さまざまな持病を抱えて医者通いをするようになる。 シミやシワだらけになる。 肌の艶がなくなり、若者のようにさっそうと歩けなくなる。 深酒をすると回復に時間がかかるようになる。 重いものが持てなくなる。階段を上ると動悸息切れが起きる。 興味や関心が持てなくなり、意欲の減退が始まる。 記憶力が悪くなる。認知症になる。同じことを何度も口走るようになる。 寝たきりになる人も出てくる。 このように歳をとると若いときに持っていたものがどんどん失われてくる。 若いときに難なくできていたことが次第にできなくなってくる。 これは成長が止まり、退化が始まってきたともとらえられます。 未来に向かって輝かしい成長発展を熱望しているにもかかわらず現実は逆になる。 岸見一郎氏は、人間が生きることは「進化」することではないと言われる。 それでは生きるとは何なのか。 それは「進化」ではなく、「変化」するということだ。 前に進めなくても、あるいはむしろ後退することになったとしても、その時のその人の在り方の全てが生きるということなのです。 どのあり方にも優劣はない。目標を持って生きている人や前向きに生きている人が特別優れているわけではない。 生まれてときには何もできなかった子どもができることが増えていくことも、健康な人が病気になることも、歳を重ね、若い時には難なくできていたことが思うようにできなくなることも、どれも単なる変化なのであって、以前の状態と今の状態とを比べて進化したとか退化したとか見なくてもいい。 (人生は苦である、でも死んではいけない 岸見一郎 講談社現代新書 59ページ) 目標を見据えて是か非でも達成しないと考えるとしんどい。 それよりは目の前の変化を注意深く観察する。 また将来の起こりうる変化を予測する。 対策を立てられるものや改善・改良できるものには対応していく。 自分一人でできないことは応援してもらう。 どうすることもできないものは、白旗をあげてあるがままに受け入れる。 「かくあるべし」を封印して、目の前の変化に全力で対応していく。 変化に身をゆだねて、「今、ここ」の瞬間を精一杯生きていきたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.03 06:20:08
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