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カテゴリ:見たものの感想など
久しぶりの電車読書です。
石田由良さんの「下北サンデーズ」を読みました。 <読書でトリップ>する感覚、堪能しました。 下北沢の小劇団に入団した主人公の女の子が、自分の居場所を作っていく話です。 街の描写、劇団員の人間関係、いつも劇団員たちが集まって酒を飲む「ひまわり水産」。 ぐいぐいと濃いキャラクター達に引っ張られて、急加速で話が進んでいきます。 どっぷりとその世界に浸かって、そこがまた心地いいのです。 知らない世界なのに、自分が体験しているような感覚。 この辺りはさすが石田由良さん! お話しはいわゆるサクセスストーリー的な展開ですが、シンデレラストーリーではなく、劇団のみんなで作り上げていく感じが良かったです。 ラストはちょっと予定調和(?)的なところがあって、すんなり飲み込めなかったのですが、そこでこの小説の評価を下げたくないですね。 あうんの呼吸で反応し合える仲間(同士)がいて、自分がその中で確実に必要とされている・・・。 この小説の中で描かれている、とっても濃密な時間に共感できたのがうれしかったです。 そんな濃密な時間の記憶を持っているひとにも、今、自分の居場所を失っているひとにも、是非読んでほしい本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月24日 23時20分52秒
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