カテゴリ:邦楽
失礼ながらKOKIAというシンガーを知らなかった。 化粧品(?)のコマソンや赤い羽根共同募金の協賛ソングでパーソネルに名前を見たような記憶はあった。 トレイに入れ、プレイボタンを押してから、最後のナンバーまで、練りに練られた作品が並んでいる。 練りに練られた、と記載したが、今風の”ギミックてんこ盛”の音楽と確実に一線を画した、いわば”引き算の美学”という形容がぴったりの上質な作品だ。 「じゃ、癒し系・・・ですね?」 それも違う。 体にやさしいメロディーラインを唄うKOKIAのチャーミングな声をシルクのような演奏で包み込んだ作風ゆえ、そういう評価もあたらないではない。 あえて否定したい。 KOKIAのメッセージは強い。 癒されるというより、むしろチカラをもらっている感がある。 現実はきびしい。 みんなそこそこの大人だから、仕事やら家庭やらで忙しい。 体も頭も心も一つしかないから、何かを犠牲にしてはじめて、日常の生活が成立する。 犠牲にするプライオリティーは人それぞれだが、なにやら大切なことを忘れているような気がする、そんな時に聴いていただきたい。 日向敏文のピアノも光っている。 小生はつたない鍵盤弾きだが、なんでこんなシンプルで美しい演奏ができるんだろうと嫉妬する。 録音もきれいで、心地いい。 何度も何度も聴いているが、この作品のタイトルは”songbird”しかありえないと納得する。 まさに、プロフェッショナルな作品だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.25 21:19:44
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