死ぬまで女のコ
メガネが似合う女性シンガーと言えば、リサ・ローブである。極東の島国での評価がそう高くないは不思議である。デビューは1994年、いまなお全米では人気を誇るスーパーガール(?)である。デビューのきっかけは、あっけない。デンバー生まれのリサは学生時代にバンド活動をする、ごく普通の女のコだった。ところが彼女は俳優のイーサン・ホーク(”ヒマラヤ杉に降る雪”に主演)と友人だった。彼が出演した青春映画”リアリティ・バイツ”のサントラにリサの”♪ステイ”が収録される。好評につきシングカットされ、なんと1994年の8月、ビルボードで1位となる。スゴイのは、この時点でリサが「ただの人」状態で、つまりインディーズ・メジャーを問わず、どことも契約がないまま、ビルボードで1位となったことである。後にも先にもこんな人、多分いない。1995年9月にデビュー・アルバム”テイルズ”をリリースする。”テイルズ”からは”♪ドゥ・ユー・スリープ?”、”♪タフィ”などのシングルが大ヒットする。”テイルズ”は全米でゴールド・ディスクを記録してしまう。1996年、セカンド・アルバム”ファイアークラッカー”をリリースするのだが、これまた全米でゴールドを記録してしまう。経歴を見る限り「超大物」である。しかし、なんとなくのんびり屋サンという印象を与えるのは、きっとメガネのせいだろう。アメリカのB級青春映画に必ず脇役で登場する、ホントは男の子に興味津々であるが、素直に表現できない勉強が得意な女学生のようだ。主役級のキュートな女のコとちょっと対立するような設定。どう見ても「がんばりやサン」に見えないリサは、ロスに居をかまえ、マイペースで活動しているようだ。某音楽雑誌の「最近の」インタビュー記事で 「人生のなかで、デートが大切。だって女のコなんだもん(ウフッ)・・・」のような発言をなさっていた。現在のニッポンなら「負け犬の遠吠え」と一笑にふされるところだろう。しかしリサ・ローブは死ぬまで女のコ、である。ニッポンにはこんな女性シンガーがいない。