芥川賞を受賞しなければ読まなかったかもしれませんが、鹿島田真希さんは既に何冊も単行本を出しているんですね芥川賞は直木賞と違って、デビューして間もない作家が受賞するのかと思っていましたが、そうでもないみたいですねだったら村上春樹もよしもとばななも西加奈子も受賞してもいいじゃないですか~
裕福な家に生まれ育った主人公が一目ぼれで求婚された公務員とよく考えもせず結婚して、母と弟の金づるになるはずだったのに、夫はすぐに障害者になってしまった。
普通、妻としては働けない夫を一生介護しなければならないので、結婚したことを後悔するでしょう。ところが、主人公にとってはとっても幸運なことだったのです
こんな地味な内容で、大したストーリー展開もない小説が売れるとは思いませんが、「明治の文豪」の香りがして、読後感はさわやかでした
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
裕福だった過去に執着し、借金を重ねる母と弟。一族の災厄から逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病にかかる。だがそれは、奇跡のような幸運だったー夫とめぐる失われた過去への旅。第147回芥川賞候補作。