8月に地元の図書館で、この本の朗読会が開催された。
昭和18年に出征し、戦死した父からの手紙の写真と解読です。
軍事郵便として家族のもとに届いたはがきは、小さい文字ですみずみまで文章が書かれている。
限られたスペースにできるだけ多くのことを書きたいとういう思いが伝わってくる。
内容も、残してきた妻と二人の娘、まだ見ぬ三人目の子供のことを心配する言葉。
娘が無事小学校へ入学したか、成績はどうか、校長先生と担任の先生に手紙を出すから住所を教えてくれ、など。
戦地からの手紙はすべて検閲を受けるので、日時、場所、地形、気候なども書けず、「市制祭の廿日前です」「結婚記念日十日前です」と工夫して書かれている。
長男の誕生をうれしいと綴るはがきには「この便りが最後となるでしょう」と書かれ、死地へ赴く覚悟が見受けられるが、最期まで家族を心配する内容で終わっている。
いま、集団的自衛権行使が認められ、自衛隊が海外で武力行使するかもしれない不安の中、この記録を残し、伝えていくことの大切さを実感した。