トレマリスの歌術師
表紙の絵と中のイラストが、なんと萩尾望都である。 その絵に多少影響されながら読んでいると 彼女が描きそうなストーリーにも思えてくる。 魔法は無いが、その代り歌を歌うことで、凍らせたり、幻をみせたり 船の帆をはらませたり、ということができる人がいる世界の物語である。 とはいえ、この世界でも、そういう術は衰退していく傾向にあり 街によっては、術師は迫害されてしまうこともあるのである。 さまざまな声で歌い分ける、すべての歌を使えるようにして 世界征服をたくらもうとしている人と、それを追う者たちの物語なのであった。 この話は一巻で終わり、 二巻目は、同じメンバーの、違う物語らしい。 今回は、三巻いっぺんに借りてきた。三巻とも借りてきてよかった。 面白かった。 この本は、2008年の出版なのだが、もっと前に 萩尾望都のイラストの本を見たことがあるような記憶がある。 他にも、イラストを提供した本があるのだろうか。