Fuzzyな見たり読んだり

[読書・日々の生活] カテゴリの記事

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  　アモス・ダラゴン

  　　　　１２巻まである本だけれど、読み終わった。　　久しぶりに、ファンタジーの楽しさを思い出した感じである。　　北欧神話のみならず、いろいろな神話や地域を旅しながら　　神々の勝手を許さないために戦う少年の物語である。　　顔につけると融け込んでしまう仮面を「持つ者」に選ばれ、　　過去や地獄を何度も行ききし、謎かけに答えながら　　「仲間とともに」歩んでいくのである。　　個々の人物の造形も面白かった。　　べオルフ　って　あのべオウルフか　とか、世界の果ての話とか　　メデューサとか、地獄のいろいろな河とか。　　子どもたちの喜ぶ要素が満載であるのだが。　　　　子どもたちに読んでほしい。

  2012年07月18日

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  ユリシーズ・ムーア　と　第一の鍵

  　　　　キルモア・コーブという時空を越えるドアのある町での　　少年たちの冒険の物語だ。　　エジプト、ヴェネチア、中国など、色々なところに　　元・少年で、扉を守ろうとする人たちがいるのだった。　　　　この、元・少年たちの物語が、少年たちの冒険と絡んでいるのが面白かった。　　若返りの泉というのも出てくる。　　泉の水を飲むと、若返った分の記憶がほぼ失われてしまうので　　徹底的に書き残している　という少年が出てくる。　　　　ちょっと始皇帝を思わせたりするのだが、　　　　プレスター・ジョンと呼ばれていたのだからまた別な伝説の人物だ。　　若返ることができるのだから、記憶くらい良いじゃないか　　と思えるかどうかは、人それぞれだろう。　　シリーズを読み始めて三カ月以上経ってしまったが　　やっと読み終わった。　　ちゃんとわくわくドキドキする話だったのだが　　三巻から五巻まで、たぶん自分の問題で集中できなかったのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2012年04月15日

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  キャリア　こぎつね　きんのまち

  　　　たまたま寄った本屋に、１～６巻そろっていたので　　全部買ってきた。　　雑誌コーラスに載っていたときは、立ち読みが多かったので　　読んでいなかったところもそこそこあり、　　なんというか、ちゃんとした休日　という気分を味わえた。　　　　あのキャリアウーマンがちゃんと子育てができたのは　　本人がきちんと育てられ、彼女自身が　　他者と向かい合うホテルの仕事のおかげもあるな　とも思い、　　設定の確かさに頭が下がる。　　善意の人々の中で、良い子育てをしながら、自分の恋愛にだけは　　突っ込んでいけない　という可愛い女性像だった。　　　　ハッピーエンドになって良かった。

  2012年02月18日

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  北杜夫さん

  　　大学生のころ、よく読んだ記憶がある。　　「どくとるマンボウ」よりも　　純文学的な小説が印象に残っている。　　親交が深かったらしい辻邦生の小説もよく読んだ。　　自分の若いころの思い出そのものが亡くなったような気もする。　　ご冥福を。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年11月01日

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  PLUTO

  　　 　　二年も前に完結した漫画ではあるが、やっと読んだ。　　嘘、憎しみ、恐れ‥‥　それが人間の特性である。　　有能なロボットたちは、ヒトとロボットを見分けるが、　　「嘘をつく」力のあるものは、ロボットかどうか迷ったりする。　　　　有能なロボットたちが何人もプルートーに殺されて、　　その死の瞬間にお互いが通信し合う。　　それぞれの断ち切られた生を惜しみ、悔しがり　　やがて、犯人に対する憎しみが育っていくのである。　　世界中の人の情報を与えられても、自分の志向性が定まらなければ　　「自分」としては生きていけない。　　その志向性が「憎しみ」でなければならないのかどうか。　　登場するロボットたちのキャラクターがとても良い。　　　　大人に向けたアトムだった。　　もう一度、アトムに触れたい　と思ったのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年10月16日

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  　彩雲国物語

  　　アニメで見ていた彩雲国物語。　　最終巻が出たという話をチラッと聞き　　借りてみたら、まだその後に二巻続くという巻だった。　　アニメでも説明を省略していた部分が、やはり　　わかるようなわからないような感じではあったけれど　　続きを読まなくては　という気にさせられた。　　　　国王が自分のことばかり考えていたために　　政治的空白ができ、国全体も危うくなるということが　　ようやく、国王の劉輝にも理解できるようになるのだったが。　　というところ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年10月03日

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  四人はなぜ死んだのか

  　　同僚が、読んでみてくださいと貸してくれた本である。　　この本が話題になってからもう１０年以上になるようだ。　　インターネットで調べる　ということがまだ実感としてなかったのは　　当時、まだパソコンを持っていなかったからかもしれない。　　優れたレポートだと思い、今はどうしているのか　検索してみたら　　父親の代作疑惑が持ち上がり、今はネット上に現れていないとか。　　父親の原稿おこしを手伝ったりしていたのなら　　言語感覚は育っていただろうし、誤字脱字に対する感覚は磨かれていたと思う。　　父親や家族と会話しながら疑問を確かめて行ったとあるのだから　　合作に近いものではあるだろうとも思う。　　中学生の宿題なんて、そういうものだろうとも思ったりする。　　　　例えば、詩や感想文のコンクールで誰かのをコピペしたとか　　そういうのとは違うんじゃないか　と感じてしまうのは　　私の中に　　だって、マスコミの誰も、彼女のような質問をしなかったんでしょ　　という気持ちがあるからかも。　　合作のようなレポートと、自分で書く作文とでは文体も当然違うだろう。　　個人的に違和感を持ったのは三歳で料理　というエピソード。　　フライパンを火にかけて、油も入れて煙が出るほどだったら　　卵を入れた時はかなり油がはね、音もしただろう。　　それに対して怖気づかない三歳児と止めない親　というのは考えられない。　　その記憶は、親によってかなり書きかえられているはずである。　　　　　　　まぁどこかでちょっと大げさに言ったり、微妙に言わなかったり　　　ということはあっただろうし、　　　その辺の、忸怩たる部分をつつかれてしまったんだろうか。　　「その後」を検索してしまったために、後味が悪くなってしまった。　　　　第一章のレポートそのものは、よくできている　と思うのである。　　　　　　　こういう、ある種決着がつかないようなことをたたく心理というのが　　実は私にはわからない。　　コピペした　という証拠などが出ないようなものについては　　「疑い」があるだけである。その疑いには悪意しかない。　　やさしく「放置する」という選択肢がないのは、　　そこに羨望があるのだと感じるからではないのか。　　もしも、本人に実力がないのならば、その後の作品が出ないだけのことである。　　なんだかな。放置する私にも愛はないかもしれないけれど。　　「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」という本があるそうで　　この前妹に勧められた。　　本屋にいくつか行ったが見つからず。　　ネットで買ってみようかな。　　なんとなく、今のもやもやにヒントが得られそうな気がするのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年08月21日

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  ゴーストアビー

  　　　　ロバートウェストールの作品である。　　この人の作品は、国語の教科書にも載っていたが　　味わいのある、良い作品だった。　　訳者の金原瑞人さんについては、　　　私は時々、ホームページの「訳書リスト」を見に行ってしまうくらい　　信頼している訳者である。ハズレがないのである。　　　　ゴーストアビーの「アビー」とは、修道院のことであった。　　ビートルズの「アビーロード」のアビーらしい。　　　古い修道院を改修して学校にしようと思った人がいて、　　　その修理の責任者として、主人公マギーの父親が　　　現地に赴く　というところから話が始まる。　　　父親が完全にやる気をなくしていることもあり、夏休みだけの　　　気分転換でしかなくてもよい　と、マギーが説得したのである。　　　　　　幽霊の歌声を聞いたり、死人を見たり　という経験は　　　マギーしかしないので、それもなかなか厄介だった。　　　アビーを修復して使おうとしたのはミズ・マクファーレンという女性。　　　修復のために雇われた少年たちとその監督者。　　　そういう人たちをめぐるトラブルもあり　　　また、アビーからのプレッシャーを日々感じ始めたりして　　　元いた町に帰ろうとするが‥‥‥　　母と死別して、双子の弟たちを抱えた、１２歳のしっかり者の少女である。　　料理も掃除も家事全般をこなせるし、父親がたまには「デート」すべき　　というようなことにも、理解があるかのように見えるが、　　もちろん潔癖なところもある。　　ちょっと、ジブリ作品の女の子みたいである。　　　　

  2011年08月10日

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  メルストーン館の不思議な窓

  　　　　ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品である。　　　　魔術師だった祖父からメルストーン館を相続したアンドルー。　　家政婦の不手際で、祖父からちゃんと相続の話を聞かされず　　「魔法の境界」について、自分で調べることになってしまう。　　アンドルーにも実は魔術師の素質はあったのだが、忘れていて　　いろんな人が彼に関わる中で　　思い出したり、境界を確かめたり　　祖父にまつわるいろいろなことを確かめて行く　　　‥‥‥　　と　書いてしまうと簡単な感じなのだが、人物がそれぞれ個性的で　　祖父がさせられてしまっていた変な契約のことや、　　「真夏の夜の夢」に出てくる登場人物が出てきたりして　　がやがやとさわがしく、面白い。　　　　ジョーンズの本は、次々読みたくなるのである。

  2011年08月08日

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  海に沈んだ町　　

  　　　　三崎亜記の短編集である。　　彼の、「失われた町」がとても好きで、割合よく読む作家である。　　「失われた町」では、住民だけが消えるのだけど　　今回の、さまざまな町は、またもや問題を起こしてくれる。　　海に沈んだ町は、ダムができて沈む、かのように読めるのだけれど　　よくよく気付くと、「海」に沈んでいるのである。　　「もっと川下の町があるにも関わらず」その町が選ばれ　　「知っていた政府は鉄道会社に知らせたので」　　海より高く鉄橋が作られている。　　自分も捨てた町だったけれど、そんなふうに蔑にされているなんて、と　　主人公は嘆くのである。　　　　別な町では、もともと遊園地があった場所に住む住人が　　　　皆、幼児に戻って、メリーゴーランドが動き出すのを待つ　　　　というような夢を見る。　　また別な話では、サファリパークのように鉄条網で　　一つの町、滅びゆく「ニュータウン」を囲い、　　「えさ」を与えられ、昔の録画番組しか見せられず　　他者から見世物にされる人たちが出てくる。　　　不思議なずらし方で不思議な世界を描いているようで　　　住んでいる人はごく普通に生活している。　　　彼の人権感覚は、けっこうまともなものだと感じる。　　　そこも、良いなと思える点なのかもしれない。　　海に沈んだ町は、夜になると海の中で灯りがともるのである。　　そんなふうなイメージが、心に残るのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年08月07日

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  　死霊術師　ジョン・ディー

  　　　　　　　　　　前回、楽天になかった商品が入ったようだ。画像があった。　シリーズ四作目になるのが、この本である。　三巻目では、ニコラフラメルの妻ペレネルが、　怪物たちの大勢集まったアルカトラズ島に閉じ込められ、　そこから、最後に脱出した。　金と銀の力を持つ双子は、パリから脱出して、サンフランシスコに戻った。　ただ、ともに戦っていた、守ってくれていた赤毛の戦士は　別の場所に送られてしまったのだった。　　　このシリーズでは、神話の神々や、歴史上の人物　　　例えば、ギルガメッシュや軍神マルス、　　　シェークスピアとかジャンヌダルクなどが登場する。　　　古代から（多くは）神として存在し、人間に　　　干渉してきたエルダー族と、彼らの手足として働かされている人間　　　この中で、エルダー族とは関係なく、　　　「ただの人間」だけれど「コデックス」という書物によって　　　不死の命を得ていたフラメル夫妻だったが、　　　その「コデックス」が盗まれてしまい、彼らは老い始めている。　　　同じ薬ではなく、毎回違う調合がコデックスに現れ、　　　定期的に手当てしないと、不死ではなくなるのである。　　　今回、ニコラフラメルは、もうとんでもなく老いてしまった。　　　ペレネルは、大気からオーラを取り込めるみたいだけれど　　　ニコラはできない。ペレネルができることも知らないみたいだ。　　　変なところに送り込まれた赤毛の戦士たちは、　　　太古の世界で戦え　とか言われてしまっているし、　　　金と銀の双子は、離れ離れになってしまった。　　　　　　原作でも、最終巻はまだ書き上がっていないらしいけれど　　　続編はいつ出るのか‥‥　　　というか、出す気はあるのか、気になるところである。　　　　　（訳者は、まだやる気になっていてくれるのか、も）　　　　　　　　　　　

  2011年08月04日

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  　死霊術師ジョン・ディー

  　　去年から何度も検索をかけ、理論社倒産と知り‥‥　　七月発刊というのをつい二、三日前にもネットで見たのだったが‥‥　　書店にあった。　　まぁ、自分との約束だったので、本を買ったのだった。　　図書室にも買ってもらうので、　　二冊分貢献しましたよ、と声を大にして言っておこうかな。　　これで、というほどではないけれど　　印税を払わない、なんてよろしくない評判は聞きたくないものだ。　　だって、物語は六巻まで続くらしい。　　未完結で終わらせられたら、悲しすぎる。　　意外と、隠れファンはいるのだから。　　今日現在、まだ楽天には入っていないみたいである。　　読んだ感想は、またいずれ。　　とりあえず、今日たまたま本屋に行って良かったな、ということなのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年07月31日

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  王国の鍵　　6

  　　　　　　月曜日から始まった物語が、とうとう土曜日まで来た。　　もう世界は訳のわからないところまできている。　　ハウス下層部は、「無」によって浸食されて無くなりそうだし、　　別世界にある地球の、アーサーの町には、核爆弾が落ちそうだ。　　アーサーはと言えば、　　鍵の魔法を使い過ぎて、だんだん人間から「ハウス世界の住人」に　　なってしまいそうなのである。　　そんな中で、土曜日の世界になんとかたどり着いたアーサー。　　土曜日の主「卓越したサタデー卿」は　　なんとか日曜日の世界を乗っ取ろうとしていて、そのために　　その下の層を犠牲にしようとしていて。　　　　のこり一冊で終わるかどうかはわからないけれど　　とりあえず、なんとなく第六の鍵は手に入れたかもしれないところで　　次巻に続くのである。　　核爆弾がどうなるかも、まだわからない。　　年末には出るのかも。　　　読み終わった途端に、待ち遠しいのである。

  2011年07月30日

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  　墓場の少年

  　　　　ある夜ある家で、一家三人が殺された。　　本当は、四人目の赤ん坊も殺されるはずだったのだけど、　　その子は好奇心旺盛で、家を抜け出し、一人でどんどん歩いてしまっていた。　　殺した男≪ジャック≫は、子どもを追って墓場に来たけれど　　その子を守ろうとした亡霊たちに邪魔されて　　やむなく戻ったのだった。　　その子はその墓場で特別待遇となり、幽霊たちに育てられる。　　去って行った≪ジャック≫の仲間も実はたくさんいて、　　赤ん坊の行方を探そうとしている。　　というのが、初めの部分で、その子が１５才になるまで話は続く。　　　　　不思議な味わいの小説である。　　　英米文学のいろいろな賞をもらったというが、納得できる展開である。　　　≪ジャック≫の集団も不思議だし　　　買い物に行けない幽霊たちに代わって「実体」として存在する後見人や　　　グール(食屍鬼)から助かるにはどうするか　などという　　　　途方もないことを教える「神の猟犬」など、不思議な世界である。　　　不思議だけれど、ああ、あれ　と思ったりもする。　　　　　　面白かった。　

  2011年07月23日

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  ＲＤＧ　レッドデータガール４　世界遺産の少女

  　　　　　　３巻目の「夏休みの過ごし方」を私が読んだのは五月だったので　　私の中では話がすぐに展開したのだけれど　　５巻目が１年後かもしれないのが、ちょっと残念だ。　　夏休みが終わり　　学園に戻り、文化祭の準備が始まるのだけれど　　八王子の周辺の史跡とか城などから、少しずつ　　幽霊（死霊？）が学園に集まっていそうな。　　だが　　　　泉水子には、神や式神はわかっても、亡霊は見えないらしい。　　文化祭の時に何かが起きるのは確実である。　　今回もすったもんだがあり　　深行と泉水子との関係は、表面的には深まって行かない。　　それでも　　泉水子は、自分のいろいろな面に気づき始め　　成長しようともがいている。　　完結してからシリーズの存在を知れば良かったかな。　　読み始めた時は、どんなものだかわからなかったわけだけど。　　はしょっても、最低あと２巻は必要だろうし、　　はしょらなかったらどうなるのか。　　毎年一巻は期間が長すぎると思うのである。　　ラノベみたいに　２～３か月に一冊　ってわけにもいかないだろうけれど。　　できれば早く　と祈ったりするのである。　　　　　　　　　　美容院で、久しぶりに一冊読了。

  2011年07月16日

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• 宇宙人ジョーンズ　教師篇

  　　こんどのジョーンズも面白かった。　　授業中に携帯で話をしているなんて、よほどな感じの学校だけれど　　チョーク投げで髪を一文字禿げ（こんな言葉があるかは知らないが）　　にしてしまったりするのである。　　モンスターペアレントに切れそうになった時に、武田鉄也が登場する。　　なんかしみじみするいいコンビだなぁ　と感じてしまった。　　　　ジョーンズの演技力も半端ないんだ、と改めて思ったりした。　　

  2011年06月18日

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  　ラークライト

  　　　　伝説の宇宙海賊　などというので、「ＳＦ」かと思ったら　　設定が「大英帝国」の時代だったり　　宇宙旅行を錬金術でやっていたり　ということで　　むしろ「ファンタジー」なのだった。　　一つの集落の人すべてが「木」になってしまったのに　　一人だけ免れ、「地球外生物研究所」に閉じ込められていた少年が　　他の「地球外生物」（宇宙人）とともに脱走し、宇宙海賊になった　　という設定は、それなりに面白かった。　　　　

  2011年06月11日

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  樹上の揺りかご

  　　　　「これは王国の鍵」の続編らしき作品。　　「王国の‥‥」では、失恋した後、アラビアンナイトのような世界に入り込み、　　戻った時には三カ月以上経っている‥‥しかし、本当にいなくなっていたのではなく　　本人の意識の中だけだった　という作品だった。　　　その主人公上田ひろみが高校に入学し、生徒会などの仕事をしながら　　　生徒会長を愛する少女と関わったりする内容になっている。　　　元男子校の伝統の中で、　　　女子が入れない催しがあることなどを問題視する少女有理。　　　エキセントリックな行動もしてしまうその有理に惹かれ　　　彼女にだけは、「王国」に行ったことを話せるのである。　　　読んだ本が似ていて、感じ方もそんなに遠くない友達はとても貴重である。　　　そんなふうに話すことはもうないかもしれない　と彼女も思うのである。　　　　　王国に行ったことを時折思い出しながら　　　現実と折り合いをつけていくひろみ。　　　　　　ファンタジックな作品の続編が、異世界にまぎれたりしなくても　　　それはそれで「あり」なんだ　と思えた作品である。

  2011年06月10日

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  　グリフィンの年

  　　　　ダイアナウィンジョーンズ作、　　先日読んだ「ダークホルムの闇の君」の続編である。　　この作品では、誰が主人公というほどではなく　　魔法大学で学ぶ、それぞれ事情を抱えた若者たちのことが描かれている。　　「闇の君」役だったダーク魔術師の娘のグリフィンのエルダが　　大学に入学するので「グリフィンの年」というのかと思ったら、　　やはりいろいろ仕掛けだの予言だのがあるのだった。　　ダーク魔術師夫婦は、　　自分たちの遺伝子を入れて作ったグリフィンやペガサスを　　自分たちの子どもとして、人間の子どもと本当に分け隔てなく　　愛情を持って育てている　という世界観も、ジョーンズらしいと思う。　　入ったら出て行きたくない世界なのである。　　　　彼女がもう亡くなってしまったことがとても残念だ。　　続編や外伝を読みたい　と思ってしまう。　　　　　　ハードカバーのは売り切れらしい。

  2011年05月20日

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  　ダークホルムの闇の君

  　　　　久しぶりに読み終わった後にも作品世界から出ることが大変だった。　　魔法のない世界から魔法世界への観光旅行を企てるチェズニー氏の　　あまりの非情なワンマンぶりに、魔法世界の住人がとうとう怒り　　なんとかこのツアーを次年度から中止させようと　　魔法大学の総長たちが立ち上がるのである。　　　　要は、　　クェストのような、ＲＰＧを実地でやるようなツァーなのである。　　その、ラスボスの役が「闇の君」で、　　今年の「闇の君」に当たってしまったのが、　　ダークという魔法使いなのだった。　　ダークは自分の遺伝子を使ったりしてグリフィンや空飛ぶ豚、　　ペガサスなどを作り出すことを生きがいとしている魔法使いで　　権力欲のようなものはほとんどない男だったのだけれど。　　今年はダイアナ・ウィン・ジョーンズを読破してしまいそうな気がする。　　　　　「それはまた別の話」というのはよくあるけれど　　この話も竜王とか神とか、「別の話」が気になるのである。　　この話の続編らしい「グリフィンの年」を借りようと　　決心してしまった。　　　　　

  2011年05月08日

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  　荻原規子さんの

  　　　　「ＲＤＧ 夏休みの過ごしかた」と「これは王国の鍵」を読んだ。　　「ＲＤＧ」のほうは、三巻目が終わったが、まだ完結せず、むしろ　　夏休み後の文化祭の時に何かが起きそうな気配とともに終わる。　　閉じ込められ「祀られている」神のようなものまで　　ところどころに登場し始めたし　　主要人物たちも少しずつ成長していくのが面白い。　　幸い、次の巻が出るのが五月末らしいので、うまくすれば　　夏休みには読めるかもしれない。　　　　　　「これは王国の鍵」は　　失恋した少女がアラビアンナイトの世界に、　　ジン（精霊）として迷い込む　という設定である。　　「西の善き魔女」ほどはわくわくしなかったが　　それなりに面白くあっという間に読み終えた。　　　　読んでいなかった「空色勾玉」のリーズも読もうかな　とは　　思ったのだった。　　　　　　

  2011年05月05日

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  呪われた首環の物語

  　　　　ダイアナ・ウィン・ジョーンズの、比較的初期の作品だとか。　　ライマンと呼ばれる狩りをする、　　ときどき超能力を持つ子が生まれる種族　　ドリグと呼ばれる水の中に住む動物に変身できる種族、　　そして、巨人。　　彼らはそれぞれ、自分たちが「人間」であると思っているのだった。　　巨人、というのが、いわゆる人間なのだけれど　　それも、他の種族よりも横幅は厚いけれどとんでもない体格差でもなく、　　それぞれの暮らし方が違うだけなのである。　　呪われた首環をめぐって、　　まったく違うと思われていた種族の子どもたちが　　異文化交流をはじめるのである。　　　　殺し合いを好んでいるような、　　お互い好戦的なように見えたそれぞれの種族も　　実はそれぞれにポリシーもあるのだった。　　　　なんというか。　　　　首環に呪いがかかるところは非日常的な感じなのだけれど　　　　なんとも言えない面白さのある作品だった。　　

  2011年04月20日

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  版権　手放せば？？

  　　待っているのに出版される気配がない本たち。　　「死霊術師　ジョン・ディー」　　「トンネル」　　「風の名前」（キングキラークロニクル）　　倒産騒ぎでどうなったかわからない本たちである。　　　（「風の名前」については、白夜書房の中で検索しても出てこない）　　「トンネル」は国内でもそこそこ売れたと思うのだが、　　その版権を買い取ろうという出版社はないんだろうか。　　　「風の名前」などは、ハヤカワとか、創元とか、そういうところから　　文庫でなんとかしてほしいものである。　　理論社の「死霊術師ジョンディー」にいたっては、　　いっとき、検索すると私のブログが一番に出たくらいのありさまで、　　翻訳者にギャラが支払われたかも微妙‥‥　　この本については、出版寸前だったと思われるのに、　　印刷はされたのか、されたならネットでも販売してほしいし、　　されていなくても、ネットで個人予約でも、そこそこ集まるんじゃないかと思う。　　続きを待っている人はたくさんいるのである。　　　　　　　　

  2011年04月10日

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  ハウルの原作の

  　　　　　「ハウルの動く城」の原作「魔法使いハウルと火の悪魔」を読んだ。　　続編の「アブダラと空飛ぶ絨毯」も読んだ。　　映画だけでは釈然としなかった部分がしっかりわかり、　　荒地の魔女が、なぜソフィーに魔法をかけたかもわかり、　　ソフィーの魔法がなぜ解けなかったかも、本当のところがわかった。　　ラストは、原作のほうが良かったし、　　登場人物の人数や相関も、原作のほうが良かった。　　　　　　　ダイアナ・ウィン・ジョーンズの話では、よく　　　「最初の姿で終わる者はいない」などと言われるそうだけれど　　　まさしくその通りである。巧みな語り手だ。　　　　特に「アブダラと‥」のほうは、　　最初はアラビアンナイトの世界のように始まり、　　出ていたハウルが本当の姿を見せるのは、本当に最後だった。　　　彼女の本は今まで数冊読んだけれど、はずれはなかった。　　　どれも、引き込まれてしまうのだ。　　　今年こそ、彼女の本をもっと読もうと思う。　　　　　　　　　

  2011年04月09日

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  　ＲＤＧ（レッドデータガール）はじめてのお使い

  　　荻原規子の作品なので面白いだろうと思ったが　　やはり、面白かった。　　山伏の家系の少年と　　その山伏たちに守られるべき「姫神」の血をひく少女。　　　　少女が少しずつ自分の殻から出て　　為すべきことを考えていくところが良かった。　　続編を借りてこようと思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年04月02日

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  旅をする木　　　アラスカとの出会い

  　　　　　　この本に掲載されている「アラスカとの出会い」という作品が教科書に載っている。　　　中学校生活最後の作品として扱うことから、　　　原作を求め、読んでみた。　　　別の地域で別の教科書を使っていたので、この作品は初めて読んだのだ。　　　作者の星野道夫さんという人が写真家で、　　　写真を撮るキャンプ中にクマに襲われて亡くなった、　　　ということについては、当時のニュースで知っていたし　　　たぶん写真も何枚か見たことはあったと思うが　　　エッセイ集は初めて読んだ。　　　良い文章である。詩的でもあり、しみじみと考えさせもする。　　　人々の暮らしを見つめ、動物の生と死を見つめ、　　　また仲間の死とも何度も出会った人の「しみじみ」なのである。　　　この人のエネルギーは、とてもすごい。　　　１６歳でアルバイトして単身アメリカに渡り、　　　ヒッチハイクしたりして何週間か過ごし　　　その後、今度は北方にあこがれ、１９歳でアラスカに行くのである。　　　それも、「シシュマレフ村村長」あて　という書き方の手紙に　　　あちらが応えたというのだから、途方もない話である。　　　そうした出会いから、　　　ほとんどアラスカで暮らすようになってしまうわけだけれど、　　　確かに「出会い」の妙味ではあるのだ。　　　コミュニケーション能力だの生きる力だのとよく言うけれど　　　そういう力がないということは、「出会う力」もないのだろうな。　　　出会っても、それとわからないだろうし、　　　気づいても黙殺してしまうのかもしれない。　　　授業で扱う時には、　　　彼らのエネルギーを少しでも掘り起こせるようになれれば良いのだけれど。　　　エッセイの中に、１９９３年に生まれる子供のことが書いてあった。　　　１７歳になるその子がまだ三歳くらいで、星野さんは亡くなったわけだ。　　　　　そうは言っても、私のように１７年も経ってから改めて　　　彼の文章や写真に出会う者もいるのである。　　「本は書店で」と決めている私だが、初めて、ネットで本を数冊買ってしまった。　　　星野さんの本をたくさん置いてありそうな大きな書店に行く予定がなかったので。　　　写真集は、教室で生徒たちに見せたいのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2011年02月01日

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• 理論社　のこと

  　　この前、理論社のホームページを検索したら　　「お待ちください」とかなんとか出ていて‥‥　　一昨日あたり見てみたら　　新会社になるとか何とか‥‥　　検索ページに出ていた他のものを見ていたら　　作家たちへの支払いが滞っていた　なんて話が出ていたのだった。　　なんというか。　　がっかりしたわけで。　　　そんなやつだとは思わなかった的な。　　山中恒さんへの印税の支払いも滞っていたんだそうな。　　　（ニコラフラメルのシリーズの訳者にはちゃんと支払われているんだろうか　　　　　心配になってしまった。）　　そんだけいろいろ滞っていたのにつぶれるって、どういうこと？　　という気持ちになってしまったのだった。　　そういえば、「トンネル」という海外小説も「その３」が出版されず、　　と検索してみたら、ゴマブックスも倒産だそうな。　　世の中、大変。大変みたい。　　

  2011年01月29日

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  時の書

  　【送料無料】時の書（1）価格：1,680円（税込、送料別）　　古代の遺跡にある石碑のようなものが　　タイムスリップを呼び起こすものだった。　　　　それを、見つけたのは主人公のサムだ。　　父親が失踪した後、地下室を調べていて隠されたスペースにある石碑を見つけ、　　はめ込むのにちょうどよい穴開きコインもそばにあったので　　はめてみたら、過去に行ってしまったのだ。　　そのコインを集めると、世界の支配者になるという古文書も出てきたりして　　現在にも、過去の世界にも、その石碑を狙うものがいることがわかる。　　　　二巻目三巻目にいたると、父親が捉えられているのが中世の、　　あの「串刺し公」で有名な城の地下に捉えられていることが分かり、　　現在の城の資料写真の中に「サム　助けて」と落書きされているのを見つける。　　巻が進むと、敵方の動きが激しくなり　　タイムワープの禁忌のようなものも分かってくる。　　従妹のリリと、幼馴染のアリシアも冒険にまきこまれるし　　母の死にも謎があることが分かる。　　　　　　読みごたえのある三巻だった。　　　　　　　　　　　

  2010年12月30日

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  温かいスープ

  　　「温かいスープ」という題の短いエッセイが、教科書に載っている。　　海外での貧しい講師時代の月末には、いつもオムレツだけを頼んでいたのだけれど　　いつしかパンをもう一人分おまけにくれるようになり、　　特別寒かった季節には、なんとオニオングラタンスープまでつけてくれた。　　それも、「間違えて作りすぎた」なんて言いながらくれたのである。　　相手の立場やプライドを大切にしながらの親切によって、　　筆者は「人類に絶望することもないだろう」というのである。　　　　寒くて腹ペコで、でもお金があまりないときに　　　　そんなスープがどれほどうれしいだろう、想像してみて　　　　なんて、一生懸命こんなスープなんだ　と話していたら、　　　　腹減るからやめてくれ～～　というむしろ悲鳴が。　　　　私自身も、四時間目にそんな話をするのは、ちょっと辛いものがあったのだった。　　　　今日は、寒かったし。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年12月13日

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  タペストリー

  　　【送料無料】タペストリー（上）価格：903円（税込、送料別）　　　　選ばれた子どもたちには、魔法の才能があり、　　ローワン学院という魔法もコンピュータも駆使‥‥というような学校に入るのだ。　　ハリポタの世界では、　　たとえばハーモイオニーの両親とのやり取りなどは出てこないし　　マグルの母親は彼女が危険な目にあっているなどとは知らないのであろうけれど　　この話では、父親も「敵」にねらわれ、この学院で暮すしかなくなったりする。　　復活する「魔」アスタロトは絵の中に隠れていて、　　その絵を守ろうとするモノと闘いながら、この巻は終わってしまった。　　文庫なので「上下巻」だけれど、ハードカバーならば一巻である。　　四部作だそうだ。　　続きが楽しみである。　　　　　【送料無料】タペストリー（下）価格：924円（税込、送料別）　　

  2010年12月06日

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  全国の書店様　‥‥‥　死霊術師　ジョン・ディー

  　　錬金術師ニコラ・フラメル価格：1,890円（税込、送料別）　　昨日　大きめの書店に行って聞いてもらったら　　理論社のホームページで誰でも買える感じになっていないものなら　　まだ出版されていないのでは　と言われた。　　‥‥‥　なるほど。　　これから何冊印刷するか決めたりするのかも？？　　どうか、注文出してあげて欲しいです。　　そして、最近よくある小さなコメントをつけて欲しいです。　　児童のための良書を出版し続ける会社を応援するためにも　　理論社の本をどうぞ、と。　　　　　「死霊術師ジョンディー」で検索すると、　　　私のブログがヒットしてしまったりする‥‥‥　　　「いゃ　そうじゃなくて」　と　いつも思うのである。　　　面白いんだから。　　　ニコラ・フラメルとその妻　ペレネルが　　　ジョン・ディー博士とニコロマキャベリなどのエルダー族の手先チームと闘うのだけれど　　　ギルガメシュなど神話上の人物だの、シェークスピアだのジャンヌ・ダルクだの　　　ビリー・ザ・キッドだの　　　世界中の有名人が出てきそうな勢いである。　　　物語の序盤（「ニコラ・フラメル」）で、ニコラとペレネルの不老長寿を支えていた　　　薬の調合が書かれていたコデックスを奪われる。　　　だから、この夫婦は闘うたびに力を奪われ、老いて行くのである。　　　そして、双子の少年少女と闘っていく。　　　三巻目（「ペレネル」）の最後で、やっと夫婦は再開できた。　　　　　　（　私の感想は三月二十八日に書かれていた。）　　　　　　　　もう一度お願いします。　　　　　本屋さん、注文してください。応援してください。　　　　　　　　　　　　　

  2010年12月05日

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  　神様のメモ帳

  　　　しばらく前に、あるクラスの生徒から　　　「面白いから読んで」と渡されてしまったのだった。　　　最近はそんなふうに借りても読めない可能性が高いから　　　借りたりしないようにしていたのだけれど、うっかり受け取ってしまったのだった。　　　その上、四クラス連続で授業があった日で‥‥‥　　　誰が貸してくれたかも記憶が‥‥　　　「あの辺の席の」と思っていたら、席替えもしてしまったし‥‥‥　　　小説は面白かった。　　　エネルギーが乏しくて、学校に行っても集団でいるのがつらく　　　放課後はパソコン室にこもってしまう高校生。　　　その少年を「外へ」と引っ張り出してくれた少女。　　　同じような「働いたら負け」という集団との関わりの日々の後で　　　怪しいドラッグにつながる事件にまきこまれていくのだ。　　　ニート探偵なんて出てきたりして　　　ドラッグの騒ぎのあたりから面白くなってきたのだった。　　神様のメモ帳価格：641円（税込、送料別）　　　　　　　本の持ち主は‥‥‥　　　　　　　彼女のほうから「読んだ？」と声をかけてくれたのだった。　　　　　　　ちゃんと読んだので、ちょっと嬉しそうだった。　　　　　　　貸したのに読まない友達がいたんだとか。

  2010年11月30日

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  　死霊術師　ジョン・ディー

  　　　錬金術師　ニコラ・フラメル　　　魔術師　　ニコロ・マキャベリ　　　呪術師　ペレネル　　　に続くアルケミストシリーズ四巻目がとうとう発売されるようだ。　　　　　理論社からの刊行だけに、実はとても心配していた。　　　今度は、買います。　　　今までずっと、図書館から借りていました。　　　理論社の、熱心な読者であることは間違いないんだけど、　　　理論社の儲けにはつながっていませんでしたね。申し訳ないです。　　　呪術師ペレネル価格：2,100円（税込、送料別）　　　

  2010年11月25日

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• ハンガーゲーム　

  　　３０００年後のアメリカ大陸は、１２の地区に分けられ　　支配者に搾取され、何かあると処刑されてしまうような社会である。　　住民が反旗を翻すのを防ぐために　　年に一度、それぞれの地区から十四から十八の少年少女を一人ずつ選び　　作られた闘技場で殺し合いをさせる。　　最後の一人は熱狂的に迎えられたりするが、要は、「すべて見世物」なのである。　　犠牲者は、名前が入れられた中からくじで選ばれるが　　貧しい者たちは、食べ物と引き換えに、名前をそのくじの機械に提供する。　　少女カットニスの名は、だからその機械の中に何十枚も入っていたけれど　　選ばれたのは、たった一枚しか入っていない妹の名前だった。　　　　で、彼女が身代わりに立候補し、話が始まるのだった。　　不満があっても、言えないような社会になっている　ということが　　いろいろなエピソードから明らかになっていく。　　子どもを二人、毎年いけにえに出すなんて　　まるで、ヤマタノオロチの時代のようだし、それを賭けに使ったり楽しむなんて　　コロッセオで奴隷の闘いを喜んでいた人たちと同じ。　　そういう中で、　　テレビカメラにどう映るかまで計算しながら動かないといけないのである。　　三部作らしいが、二巻目はまだみたいだ。　　映画化の話も出ているようである。　　「バトルロワイヤル」みたいな陰惨な話に仕立て上げるか、　　心の揺れを忠実に描くヒューマンドラマになっていくのか‥‥　　とりあえず、二巻目が早く読みたいものである。　　

  2010年10月24日

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  　時の町の伝説

  　　　　ダイアナ・ウィン・ジョーンズには珍しく、　　魔法や魔法使いは出てこず、ややＳＦな感じの作品だった。　　第二次大戦の時に疎開で田舎に来ていた女の子が　　未来から来た少年たちに誘拐されるという話で、　　タイムマシンのような「時の門」とかコントローラーとか　　宇宙開発の時代がどうとか、アンドロイドとか‥‥　　普通の「二十世紀の少女」がその時代の感覚で　　いろいろ乗り切ろうとするのは、面白かった。　　最後に騒ぎの犯人が出てきた時には先がちょっと見えたけれど。　　

  2010年10月18日

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  　タリスマン

  　　　　　エジプトのファラオの墓を発掘する一家の物語である。　　かつて、ファラオの一人の墓から巻き物を持ち去った祖先が　　呪いにかかったようで、必ず長男が亡くなるのである。　　その、何代目かの「次男」の長女が主人公である。　　一人娘である彼女は、もしも長男がいない場合、　　長女である自分が死ぬこともあるのだろうか、と密かに心配している。　　　　なので、秘宝を探し、　　祖先が持ち去り、その後海に沈んだその巻物を探し出し、　　巻物を墓に戻すことで、呪いが解けないだろうか、と考えているのだ。　　　図書館に、四巻くらいあったが、　　　読めるかどうかわからないので一巻しか借りていなかった。　　　意外に面白かった。　　　今、ねんざのために通っている整骨院で、少しずつ読めることがわかったので、　　　この秋は、意外と読書が出来そうな気がしている。

  2010年09月29日

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  　銀のらせんをたどれば

  　　　3fscid%3daf_ich_link_img&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fbook%2fi%2f13567465%2f" target="_blank">　　　原題は「ザ・ゲーム」。　　何のゲーム化というと、物語の世界に入って物語の中の何かをとってくるのだ。　　　　神話の、金のリンゴとか、どこかのドラゴンのうろことか。　　神話層というのがあって、　　それぞれの物語が細い銀の糸でつながれているのだ。　　主人公のハレーもその一族も、　　実は神話の中の人々で、神話層から出て人として暮らしているのだ。　　そして、神々の王のジュピターが、ここではいけすかない支配者として存在する。　　ジュピターはゲームで子どもが神話層の中に入るなんて許していない。　　それがばれたら‥‥‥　　ダイアナ・ウィン・ジョーンズという人は、本当に面白い物語を考えるなぁと思う。　　最後まで、どうなるかわからないのだった。　

  2010年09月26日

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  　大人の怪談

  　　　　　辛酸なめ子さんは、霊感があるらしい。　　その辛酸さんと、怪談を集めて「新・耳・袋」という本を数多く出版している　　木原さんという人の対談だった。　　木原さんは、新しい怪談を書きこんだデータが飛んだり　　ずいぶん不思議な目にはあっているのだそうだが　　そんなことは、まぁあるだろうくらいに思って、「～～のせい」とは　　思わないようにしているそうだ。　　何かのたたり、とかいう人って　　同じくらい良い思い出もあるだろうに、そういうことについては　　「何かのおかげ」とは言わない。　　そういう一種安易なところとか、微妙に「現世利益」だけを追う　　という感じが、どうも嫌なのだそうだ。　　それに、なまじ意識すると、逆に憑かれてしまうという面もあるとか。　　　　１５０ページほどで、あっという間に読めてしまった。　　面白かった。

  2010年09月24日

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  獣の奏者　　完結編

  　　獣の奏者（4（完結編））価格：1,680円（税込、送料別）　　「探究編」を、実は夏休みに読んでいたのだが、　　「完結編」を読んでから、書こうと思っていたのだった。　　長い物語が完結した、と思ったら、最近「外伝」まで出たそうで。　　エリンがずっと欲していたことは「知ること」だった。　　とにかく、「知ること」によって　　いろいろなことの対策も、もしかしたら得られるかも、と思っていたのだった。　　　　そのことが、最後に近づいて「残った人々」と呼ばれる人々が話すことと一致する。　　彼らが「あの時話していれば」と言ったことを、もしエリンが知っていれば、　　エリンは違った道をたどることができただろうと思う。　　もしも、戦になるまでの期間がもっとあって、闘蛇の毒についてなどを　　エリンが調べる時間があったとしても、それらが絡み合って起きる現象についてまでは　　思いつくこともできないだろう。　　良かれと思ったことが、逆効果になることもある。　　知りたがりだけれど、命は大切に思っているエリンなのだ。　　知っていれば‥‥‥　　けれど、世間の情勢が、「闘わない」ことを許さなかったか。　　　　　なんてことを、考えさせられてしまう話なのだった。　　　群れで生きる「ヒト」は、群れの動きに流されてしまうこともあるのだ。　　結びは‥‥まぁそんなふうに終わるしかないんだろうなという感じだった。　　　王獣と闘蛇が闘うことによってわかること、　　そこに、今までの伝統の持つ意味が隠されているのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年09月21日

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  　悪いのは私じゃない症候群

  　　　　最近、「仕事だけ」できない新型うつ　なんていうのも流行っているというが　　そういう人たちの中には　　「自分の精神的な傾向をつかもう」的な働きかけをも拒むことも多いそうだ。　　「それは私が悪いっていうことですか？」という言葉がすぐに返ってきたりして。　　日々、自分は悪くない　という理由だけを探して生きるのはどうなんだ、とは思うが　　世の中がそうなんだろう。　　働いている中で、たとえば持病を理由にしようとしたりすると　　それがそのままリストラの理由にされてしまう　という話は聞いたことがある。　　　　だが、この本の中に出てくる人たちは、　　「攻撃は最大の防御」とばかりに、　　「上司が悪いから」「制度が悪いから」と先に言いたてる。　　むしろ、ある種の制約の中では「そうするしかない」行動をとっている人が　　責められて不眠症になったりするのだそうだ。　　　　読みながら、責められないように無難に生きよとしている自分自身のことを　　ちょっと、振り返ったりしたのだった。　　　そういえば、交通事故などで「謝ったら払う側」みたいに言われたのは　　　何年くらい前からだったのか‥‥‥

  2010年08月25日

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  　ゲゲゲの女房

  　　水木さんの二人の娘は、クリスマスイブの生まれだとか。　　実は、私もクリスマスイブの生まれなのだった。　　奇遇なのだった。　　昼間、本屋で「ゲゲゲの女房」をちょっと立ち読みした。　　　(買わなくてすんまそん)　　アシスタントが、つげ義春さんと池上遼一さんかも、とわかった。　　お～～　という感じだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年07月31日

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  　ゲゲゲの女房

  　　とうとう「悪魔くん」の放送が始まった。　　良くテープがあったなぁ　とも思った。　　悪魔くん、好きだった。　　　　北西社の戌井さんも、貧乏神と縁が切れれば良いんだけど。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年07月29日

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  　王国の鍵　　戦場の木曜日

  　　　　　地球のアーサーになりすました者が、　　アーサーの家族や世界を支配しようとしている。　　それがわかりながら、戻れないアーサーは　　それどころか、木曜日の世界戦争ばかりしている世界に　　徴兵されてしまうのだった。　　　　そして、「耳の後ろを洗う」という記憶を奪うための処置をされ　　しばらく記憶喪失になったりする。　　　　なんというか、あっちもこっちもいろいろ怪しい者ばかりだ。　　　　アーサーが「創造者の遺書(ウィル)」を回収した元の管財人たち　　Ｍｒ．マンデー、　　チューズデー、レディウェンズデーの三人も　　何者かに殺されてしまったとか。　　戦場に徴兵されたアーサーは、最前線に駆りだされることになり　　サースデーとも出会う。　　サースデーの敵は、創造主の一族らしいが、黒幕は本当はサンデーかもしれず。　　　　ラスト。　　地球では、アーサーのなり済ましにリースという友達が立ち向かってくれたのだが、　　そのリースに近づこうとしているのが　　なんと医師の「レディフライデー」だというのだった。　　本国では、もう完結編が出たそうで、　　翻訳者の人も、頑張ってくれると書いてあった。　　今年中には「金曜日」の話が読めるそうだ。　　　　

  2010年07月27日

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  　たんぽぽの日々　　俵　万智の子育て歌集

  　　　　　俵さんは、今仙台にいるらしい。　　それを私はこの本で知ったのだった。　　良いなと思えるわかりやすい歌がいくつもあるので　　短歌の教材の時には必ず紹介するのだが、　　子育ての歌も、良い感じだった。　　　　　　 振り向かぬ子を見送れり　　　　　　振り向いた時に振る手を用意しながら。　　　　　　　　子の声で神の言葉を聞く夕べ　　　　　　「すべてのことに感謝しなさい」

  2010年07月25日

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  　ライズ、星の継ぎ人たち　

  　　　　　　　　本を読んでいても良い、という引率があって、　　「ウルフタワー」のシリーズの二冊を持っていき、読んでしまった。　　語り手が、いろいろモノを知らない女の子　という設定になっているので　　これって「遺伝子操作」の話なの？なんて思っても　　「水力発電」？とか思っても、微妙にスルーされる。　　そして、反重力物質みたいなのも作れるし　　ほとんど「空飛ぶ円盤」みたいなジェット機も出てくるし　　それをコントロールする自力学習型のロボットも出てきたりするが　　それらは、ただの小道具でしかないという扱いは、徹底している。　　　　このシリーズのテーマは、「掟」と「掟破り」のようだ。　　つまらない「掟」「規則」「伝統」を何とかしたいと思いながら　　結局「掟」に縛られていく先人たちをしり目に　　主人公のクライディはどこまで行けるのか、楽しみである。　　

  2010年07月21日

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  　ターニング・ポイント　３　タイムロック　最後の選択

  　　　　ターニング・ポイントも、最終巻になった。　　ジャックはついに、１０００年後に行って、囚われの父を助け、　　もう一度　現代に戻って、最後の決戦となる。　　　　砂漠と化した未来の奇怪な生物。　　奇怪な生物や亜人間たちは、公害の果てに生まれたものか、　　または、遺伝子操作で作られた者たちである。　　戦後すぐには、放射能によって奇怪な人間たちが生まれると言われたりしたが　　そのころにはまだ、遺伝子の存在もまだ認知されていなかった。　　これを読みながら、枯れ葉剤のことを思い、また遺伝子操作のことも思った。　　キメラは人間が作り出すのだ。ホムンクルスも。　　原水爆の放射能がなくとも、そういうことは今でもできるのだろう。　　そういう話なのに、ところどころ「テレパシー」とか超能力などが出てくるのであった。　　それにしても、今は確かにターニングポイントなのだと思う。　　北極の氷の下で、誰かが氷を砕いたり溶かしたりしていなくても　　ホッキョクグマの飛び乗れる流氷がなくなりかけているらしい。　　さてさて。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年07月18日

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  種田山頭火

  　　　　短歌の時よりも、俳句の時のほうが力が入っていなかったのだろうか、　　と　つらつら考えてみると　　俳句の単元は、たいていは中三の教科書なのだが　　私は　中三は久しぶりなのだった。　　昨日、句集をいくつか借りてきた。　　良い句があったら、授業で紹介しようと思うのだった。　　山頭火の句では「黙って今日の草鞋を履く」というのを以前知り、　　ときどき思い出しては反省するのだった。

  2010年06月11日

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  　セプティマス・ヒープ

  　　七番目の子のさらに七番目の子どもには、　　かなりの魔法力が宿って生まれてくねと言われているそうだ。　　この題名は、ヒープ家の七番目ということで、　　名付けもされないうちにさらわれた子どもが親を見出すまでが描かれる。　　‥‥なんていう風にも説明できるが、実際には、それは脇の話で　　　　女王暗殺と王女暗殺未遂をめぐる陰謀の物語なのだった。　　２００５年に日本ではこの第一の書が翻訳出版され、　　本国ではすでに五巻くらいまで出ているようなのだが　　続きは翻訳されていないようだ。　　ハリーポッターのようなベストセラーにならなそうだと判断されたのか。　　現在売り切れのこの物語は、映画化されるかもしれないそうだ。　　その事実に気を良くして、続きを出版してほしいものだ。　　竹書房‥‥頑張って。　　理論社とかならヤングアダルトものとして　　とっくに出ていただろうに、とは　つい思ってしまうのだけれど。　　　　続きを読みたいと思えるほど、ちゃんと面白いのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　セプティマス・ヒープ（第1の書）価格：1,995円（税込、送料別）

  2010年06月06日

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• 　　赤ん坊

  　　赤ちゃんがいた。抱きあげようとしたら、やけに重かった。　　という夢を見たのだった。　　　　職場に行ったら、「今日から保育の授業」と言って　　家庭科の先生が実物大の赤ちゃんの人形を持っていた。　　ちょっと不思議な感じがした。

  2010年06月04日

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  　トレマリスの歌術師

  　　　　　　　　　　二巻目と三巻目を、結局この土日で読んでしまった。　　つくづく、まとめて借りてきて良かったと思う。　　一巻目で、宿敵を倒したと思ったが、未解決の部分があり　　行方不明の少年を探しに砂漠に旅することになるカルウィンだった。　　歌術の才能があるとわかると、砂漠の黒宮殿にさらわれるのだ。　　砂漠は、樹木が刈られた場所であり、樹木の倒される悲鳴が聞こえ続ける　　という癒し手ハラサーはどんどん弱っていく。　　前回は、氷に閉ざされた土地から海へ　という旅だったが、　　今回は、海から砂漠である。　　　　そして最後、大地を癒し、砂漠に湖を作ってしまうカルウィンだが　　不安定な中で術を使い切り、歌術の魔力を使い果たしてしまう。　　三巻目は、歌術が使えなくなったことで、心を閉ざしてしまったカルウィンが　　氷に閉ざされた自分が育った土地に戻るところから始まる。　　戻った土地は、歌術師だけがかかる伝染病「雪病」が流行り、元のようではない。　　例のサミスは生きていて、災いの元になったかもしれない「環」を　　半分持ち去ったということで、それも取り戻さなくてはいけない。　　　　この小説では、巫女カルウィンとダロウという鉄芸を使う歌術師の恋が　　もうひとつのテーマとして描かれているが、　　片方が心を開けば片方が閉ざすという感じで、なかなかうまくいかなかった。　　最後、カルウィンが魔術を取り戻し、雪病にかかったダロウが回復し、　　二人は結ばれる。　　死がすぐそばにある世界である。仲間の死もある。　　完全なハッピーエンドではないが、大団円ではあった。　　久しぶりに、読むのをやめられない作品だった。　　眼鏡を忘れたのに、土日で二冊も読んでしまったのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010年05月09日

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