“国を愛する心”を注入する学習指導要領
世の中,窮屈になるばかりです。小学1年生から5時間授業。教師の教え方まで国があれこれ指図する。「国を愛する心」を注入する「道徳教育」…。 文部科学省がまとめた学習指導要領の改定案です。 家計の方は,とっくにゆとりを失いつつあります。貯蓄率をみれば分かります。手取り収入のうち,蓄えにまわる割合が貯蓄率です。1991年の平均14.6%から下がり続け。15年後の2006年は3.2%にとどまりました。 派遣や請負など不安定な仕事に就かされる若い人たちに,蓄える余裕はありません。年金暮らしの人々は,貯蓄を取り崩さないと生活ができません。 かつて,日本人は貯蓄好きといわれました。社会保障の貧しさを考えて生活設計すると,蓄えがよりどころでした。ところが,将来の見通しも描けず,貯蓄どころではない人が増える現実。 一方,いまや日本人の金融資産は1,535兆円に達している,といいます(2007年9月末)。まるで日本人は金持ちであるかのように。 しかし,約1,500兆円の内訳をみると,現金や預金は減り,株式や投資信託が増えてきています。億単位の株式をもつような一部の富裕層と,貯蓄もできない人たちの,格差の広がりがうかがえます。 親の生活格差は子どもの教育格差も生んでいますが,上からのしめつけや「学力テスト」で競争を煽る指導要領は,格差づけに拍車をかけるでしょう。 そんな窮屈な世の中に異議を唱える人が増えないように,子どもたちに「国を愛しなさい」と教える?のでしょうか。↑競争を煽る教育では,子どもたち「愛国心」など芽生えるはずもありません!