寒い冬がやってくる
1975年。ベトナム戦争がアメリカの敗北で終わり,広島カープが球団史上初めてリーグ優勝を成し遂げ,布施明さんの歌う「シクラメンのかほり」が流行っています。 その年,1年を通じて民間の事業所に勤めて給与を得た人の平均年収が,初めて200万円を突破しました。ほぼ203万円。1973年の「石油危機」などで物価が上がり続け,賃金も後を追っていました。 といっても,いま30代はじめの人が生まれる前の話です。 国税庁の同じ調べによると,2006年に年収200万円以下の人は1,022万人いました。23%を占め,4人に1人が30年前の平均に満たない収入しか得ていません。1,000万人を超えるのは,1985年以来といいます。 1985年。円高・ドル安をもたらす「プラザ合意」が5ヶ国で交わされ,日本が円高不況を経てバブルの狂乱へと向かっていく年でした。年収200万円以下は,1985年の1,005万人を最期に減り始め,1991年には711万人にまります。 以来15年の間に,310万人あまり増えた計算です。ほかに,1年に満たない勤務で,平均年収100万円ぐらいの人が800万人ほどいるとみられます。 ちなみに,国税庁は,時給や日給で働いた日に,その都度給与を受け取る,日雇いなどの収入は調べていません。 低賃金で働く人はどれほどいるのでしょうか? 福田首相は所信表明で,格差の実態から「決して目をそらさず」処方箋をを講じると述べましたが,リストラや「構造改革」が社会に負わせた傷は深い。 今年は原油高等の影響で,例年以上に寒い冬を迎えなければならない人が多くいます。↑企業ではなく国民に温かい政治を期待します,宜しければ「応援クリック」をお願いします。