売れるゲーム、面白いゲーム
「売れるゲーム」、「面白いゲーム」少し昔までは、同じ意味を表すに近かったこの言葉が遠い距離になってしまったのは何時からでしょうか?ゲーム業界の中にあっても、その二つを全く相容れないもののように使う方がいます。ここ数年、面白いゲームを作りたいという言葉を残して、会社を辞め独立するクリエーターが多くおります。それらの方々から、よく聞く言葉は、「売れるゲームではなく、面白いゲームを作りたい」です。然しながら、私はその言葉に激しい違和感を覚えます。プロフェッショナルとしてゲーム作りに関わる以上は、私は、この二つは両立すべき項目として切り離して考えるべきではないかと思っています。例えるなら、面白いゲームを作る事は開発者の良心であり、売れるゲームを作る事は開発者として責任であると考えています。その片方を捨て去るという発想が私には許容出来ない部分があります。実際問題として面白いゲームを作りたいだけで独立したクリエーターが失敗した例は無数にあり、失敗する確率の方が圧倒的に高いとさえ言えるでしょう。プロフェッショナルとして開発する以上、どうしても一定以上の開発資金は必要であり、そのためには売る事も必要なのです。そこに目を瞑ってしまったクリエーターは、少しずつ資金力も低下し、やりたい事もやれなくなって、酷い時には、何の特色も無い駄作を生み出すまで落ちぶれてしまいます。その方々のそもそもの間違いが、この二つは間違いなく両立出来るのです。そこに目を瞑ってエゴばかりを押し通してしまったために、本来の目的から遠ざかってしまうのではないかと思います。私は、通すべきエゴ、飲み込むべきエゴがあると考えていますが、そこから安易に逃れようとしたために、才能あるクリエーターが潰れていくのを見るのがとても悲しいです。いつの日か、この二つの言葉が同義語になる事を願っています。近況報告:相変わらず忙しい毎日で更新も思うようにいきません・・・最近は、相変わらずのゲーム製作の毎日ですが、新しい会社で大作シリーズの中心要素に携わっているため、過去シリーズの把握、新作でのより面白いものへの昇華など、やるべき事が多く暇が無い状況です。然し、今までと違う作品に携わり高い充実感があります。加えて、この作品の開発が終了すれば、遂に、念願、私にとっては久しぶりの完全新規作品開発が待っている予定ですので忙しくとも苦痛はありません。他、最近は技術講習会、討論会でも忙しい毎日です。また、少しずつ空いている隙にブログを書くつもりでおります。余談ですが、講習会や討論会では、こんな内容について討論したりしています。http://characters.media.mit.edu/Papers/gdc01.pdfhttps://www.cmpevents.com/Sessions/GD/HandlingComplexityInTheHalo2AI.dochttp://halo.bungie.org/misc/gdc.2002.haloai/talk.html?page=7