海外就職をやった上で、日本での新卒就活を振り返ってみる。
これは8年前のちょうど今頃、正確には
2012/6/19に自分で書いた日記への答え合わせでもある。
まず最初に、新卒就活に関して僕が一番言いたいことがある。
海外に比べれば、日本の新卒就活など楽だと言ったな?あれは嘘だ。
僕は経験でもって、それを否定できるのだ。
コンピュータサイエンス専攻の修士という強力な学歴と専門性を持っていながら、日本では派遣同然の就職しかできなかった一方で
カナダではインターン上がりで就職に成功し、それを足掛かりに永住権までたどり着いた。
日本の方が楽だと言うなら、これはどう説明すればいいんだろうね?
なぜそう言えるのか、その理由がそのまま8年越しの答え合わせにもなる。
というわけで、詳しく書いていこう。
8年前といえば、大学院の修士2年だった頃。
新卒就活に挑んだが持ち駒全滅タイムリミット、最後の夏にニューヨーク留学へ行く直前だ。
本当に日本が一番いい環境なのか、疑う余地は大いにある。
当時の僕はそう書いた。
結論から言えば、
疑って正解だった。少なくとも、働くことに関して言えば。
ほとんど未経験かつ外国人という不利な条件で、インターン上がりで入った今の会社ですら
あらゆる意味で前職よりいい環境である。これは間違いない。
さらに実力をつければ、もっと上を目指せるだろう。
相性の問題もあの時書いたが、それも検証してみよう。
大学時代の経験のうち、一番に語りたかったのはもちろん射撃部での経験だ。
酒飲み強制に抗い、多少なりとも部を変え、それを歩留まり率の上昇という結果で表した。
何度もケンカしたのは胃が重い経験だったし、仲間達には苦労かけたと思っているが
それでも楽しかったと自信を持って言える。卒部から10年近くが過ぎた今でも。
だが、就活ではよくない反応が多かった。
新卒就活の定番である、学生時代に最も力を入れたことへの回答として
誰かと共同で事を成した話が好まれるのだろう。それくらいは僕にもわかっていた。
・・・しかし、僕にはそのような経験が無い。よって期待に沿うことができない。
講義や実験のグループワークは当然やったので、一応それを話題にはできるが
さらに「学校の講義以外で」の条件をつけられれば、手札ゼロである。
そのような機会を、追いかけてでも得ることはしなかった。
というより、
する気が無い。
僕が生粋の一匹狼であることは、今さら改めて語るまでもないだろう。
ついでに言えば、これは当時は言語化できなかったのだが
「勉強して結果出せばそれでAllOKな学校の方が、友達を作れる」ことが2016年のフィリピン留学でわかった。
まあそれを新卒時に理解していたとして、話しても反応は推して知るべしだけど。
結論を言おう。
やはり僕と日本の新卒就活の相性は最悪だった。
中途採用であれば、少なからず経験やスキル、知性を買ってくれる向きもあるかもしれない。
ただし、新卒でこれだけ大ミスをして、日本の会社環境の中で挽回できる可能性は低いだろう。
よって結論その2。
やはり僕は海外に出て行くしかなかった。
ただ、カナダで経験を積んだ後でなら、日本でも新卒時よりいい会社に出会える可能性はあるかもしれない。
前職をやめた直後では無理だっただろうけど。
しかし、就職自体ができても満足いく環境を引き当てられるかという問題が残る。
カナダで転職に成功すれば、給料は今の3~5割増しは十分に狙える。
この3年で物価自体も上がり、最低時給も$11.6から$14まで上昇した。
加えて、今の職場は時間に余裕がある。残業時間が月10hを越えたことが1度も無い。
カナダでなら、同条件を他の職場に求めることは難しくないだろう。
30代も半ばになってから、日本での経験ほとんど無しという条件で
この2つと同等の条件を用意できる会社に入り込める確率は・・・高くなさそうだ。
給料の条件を外せば、見つかるかもしれないが。
時間は絶対に譲る気は無い。
金持ちより時間持ちになりたい。
ここまでたどり着いたことについて、確かに運がよかったとは思っている。
しかし、外国人ハンデがあったにも関わらず、日本の新卒就活より少ない労力で今の仕事にたどり着いた。
これは運の要素を相殺するのに十分だ。
相性についても、
同じような問題に出くわしている人が僕だけとは限らない。
というわけで、冒頭の結論にたどり着くわけだ。