今季のNBAプレーオフは、近年まれに見る波乱の1回戦となった。
8カードのうち4つが下剋上だ。
真っ先に特筆すべきは、第8シードのヒートが1位のバックスに4勝1敗で勝利した。
直近5年間で3度も最高勝率を取った、実力に加えて経験も豊富なはずのバックスが。
これで驚かなかった人はいないだろう。例えヒートファンでも。
1位vs8位の下剋上は、そうあるものではない。今回でNBA史上6度目らしい。
ニックスもキャバリアーズに勝利したが、5位が4位に勝つのは珍しくない。
しかし、7位レイカーズが2位グリズリーズに勝つのは予想外だった。
さらに、6位ウォリアーズは3位キングスに勝利。こちらは予想する向きもいた。
Game7までもつれ、最後は経験の差が勝負を分けたようだ。
1回戦で4カードが下剋上って、一体何年ぶりだ?
さらに
「その4カードのシード順が全部異なる」という珍しいことが起きたが
こちらはプレーオフの出場枠が16になった1984年以降、39回目のプレーオフにして初めてらしい。
この結果で思ったのは……
東の第1シードは呪われているのか?
レギュラーシーズンを1位で終えたのだから、ある程度の確率でファイナルまで行けるはずなんだが
以下のように、
7年連続でファイナルにたどり着く前に負けている。
17BOS ECF 1-4 CLE
18TOR 2nd 0-4 CLE
19MIL ECF 2-4 TOR
20MIL 2nd 1-4 MIA
21PHI 2nd 3-4 ATL
22MIA ECF 3-4 BOS
23MIL 1st 1-4 MIA
※1st:1回戦、2nd:2回戦、ECF:東決勝
※BOS:セルティックス、CLE:キャバリアーズ、TOR:ラプターズ、MIL:バックス、MIA:ヒート、PHI:シクサーズ、ATL:ホークス
7年連続でファイナル進出を逃しただけではない。
そのうち4回は2回戦までに負けている。第1シードがこの結果は情けないと言うしかない。
今年以外で特に情けないのが、
0勝4敗で散った2018のラプターズだ。
その前の2017も同じくキャバリアーズに0勝4敗、2016から通算すればプレーオフ10連敗。
これでは
レブロン恐怖症と言われても仕方ない。
当時新参ファンだった僕にはわからなかったが、あの時のラプターズファンは大いに絶望したことだろう。
そしてケイシーHCを(最優秀コーチ賞にもかかわらず)解任し、エースのデローザンをトレードに出し……あとは知っての通り。
この現象は
東にだけ起きている。
西は2017~22の6年間で、17と19のウォリアーズ、20レイカーズがファイナルまで勝ち上がった。
確率50%なら順当だろう。そのうち17と20は優勝した。
果たして、来季の東1位は勝てるのだろうか?