カテゴリ:イベント
愛知万博が閉幕した。博覧会好きとはいえない私でも、実家近くでのイベントとあって一度は足を運んだので、いまさらながら感想を書いてみたい。私はこの愛すべき名古屋の出身!ということで、少々耳のいたい話にもお許しを。
この博覧会に関連して続々と入ってくるニュースは、「名古屋人らしさ」を思い出させてくれた。とどめのニュースは「185日皆勤賞の主婦」の話題である。毎日の大混雑は、連日通っていた地元の人々のこのような熱意が一役かっていた。彼女がはからずも語ったように、「最初はモトをとろうと思った」という理由は、名古屋人的行動様式そのものである。期間内フリーパス持参の人々は、まさにモトをとるべくして会場に通い、行列に並んだ。外から来る人は、その熱意の前にははじきだされるしかなかったに違いない。 新聞では「消える会場内のトイレットペーパー」と7月末に報じられていた。特別な模様入りトレペがどんどん持ち去られ、在庫が底をつきそうだという。まさかトイレに監視カメラをつけるわけにもいかないから、なすすべは迅速な補給のみ。もちろん、持って帰るのは地元の人だろう。 東京の人は知らないかもしれないが、開店記念に飾られたお祝いの花は、瞬時に通りがかりの人にむしりとられるのが名古屋式である。これが常識なので地元では誰も驚かない。トイレットペーパーなど序の口のはずである。それでも「商売こそ名古屋」であるから、間違いなくもうかって、閉幕するだろうと思っていたら、そのとおりだった。 さて、私の万博は久々に家族4人のイベントとなった。朝はゆったりと出たのでかえって混雑なしで到着し、会場でも人の少ないところしか行かない。すいているところは意外にたくさんある。一番並んだところで、フランス館の15分くらい。のんびりできたNPOコーナーには、子ども達が釘付けになる企画があった。欧米NPOの戦争で障害を負った子ども達を呼んで、癒すプログラムの紹介。地雷などで生々しく負った障害の写真、ビデオ。同じ年頃の子たちに目が止まったようだ。地雷禁止キャンペーンの試みも興味深かった。 真夏の暑いさかりだったけれど、水をミストで噴霧するシステムがよく機能していた気がする。小さな国々の展示を歩く。日頃なかなか入ってこない地域の情報も、平等に展示されている光景にいちいち感嘆する。その間、趣味が合わない子ども(約1名)が、ロボットめぐりに蒸発!したが、何とか合流し、夕方すいたころに会場を去った。 生粋の名古屋人からみたら、まったくモトの取れない一日と評価されるだろう。(まず行列がない(笑))でも、私は十分堪能できたと感じている。夕方になると、地元の女の子たちが着物をきて集合し始めていた。彼女たちは、間違いなくリピーターである。ここは、地元の祭りなのだ。 ふと、強大な「名古屋国」のなかにすっぽりと迷い込んでしまったような気になった。多数の「外国の展示」までも軽々と飲み込んでしまうほどの強力な磁場。。。「100%名古屋人」という本の題名をお借りすると、ここは「100%名古屋博」。生来「モトをとる」能力に欠けている私は、相変わらずこの地の落ちこぼれを実感し、東京への帰路についた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/09/30 10:40:24 PM
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