東京に江戸から住んで庭が無い
やっと、溜まった原稿書きを終えると、「川柳公論」の編集が三柳から廻ってくる。一山一山、目前の仕事をこなすのに必死。 はやく、楽しい研究生活に戻りたい。 どなたか、川柳だけ研究していれば良いような、そんな環境に私を迎えて欲しい。骨惜しみせず、川柳の研究に没頭したい。 つかの間の気分転換を犬に誘われて外へ出ると、女衆は芋掘りに余念が無い。 隣の駐車場の一角を〈占拠〉しての畑仕事。農村出のおばあちゃまにとっては、唯一の楽しみ。 孫も、手袋をはめての加勢。さてさて、どんな収穫があるのやら。 肥やしに石灰とたっぷりの時間を費やして、笊一杯にも満たない小さな芋。 それでも、一年の収穫に満足そうなふたりでした。 わが家の周辺は紅葉の盛り。例年より遅い紅葉は、温暖化の影響か異常気象か。 慌ただしくて川柳が出来ないが、やっとの思いで「川柳公論」の句を整える。 「お前は何者?」と言われたとき、 「川柳作家です」とは、とても言いにくい。楽しく句が作れる落ち着いた時間も、研究の時間と併せて欲しい。今は、時間がもっとも貴重なものとなっている。 こどもにとっては「絵を描かず川柳ばっかりやってる絵描きさん」というが、嘗てのように絵を描く時間も作れないことに、「我は何者>」、「何で私はこんなことをしている?」と自問するばかり。 川柳の波間で空を見失う