ジャミラブームである。
自分の中で、ジャミラが気になり始めた。
最初は、コップのフチに引っ掛けるガチャポン「水際のジャミラ」を見たことから始まった。
http://m-78.jp/news/n-3441/
水に弱いジャミラを水際のコップに引っ掛けるなんて、なんて、残酷なことなのだろう。
そして、さらに自分がリアルタイムで子供の頃見たウルトラマンを思い出してみた。
宇宙飛行士が月で変化して、ジャミラとなり、宇宙船に乗って地球へ舞い降りて、人類に深い恨みを持つ。
そして、怪獣として国際会議場へ向かう途中の村で多くの人を焼き殺してしまいウルトラマンに最後は水で倒される。
非常に印象深い話しで、実はこの作品が、ウルトラマンシリーズの中で、1位の人気となっているらしい。
そして、この話が教科書でも取り上げられ、ジャミラと人類を考える教材とされているらしい。
ネットででは、「ジャミラは可哀想か?」といった記事もあり、ジャミラが悪者なのか、可哀想なのか考えさせられる論考がなされている。
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-29.html
確かにウルトラマンシリーズの中で、ジャミラの話は、自分の心の中に考えさせられる何かを残している。
改めて、そんなジャミラがガチャポンで登場した。
水が死につながるジャミラを水際のコップのフチに引っ掛けてしまうという、残酷な、そして、アイロニーの効いたガチャポンである。
そして、このジャミラを見ることで、多くの若い世代は、ジャミラとはどういう怪獣なのかを探ろうとする。
そこが、このSNS時代の新たな展開となる。
ジャミラにまつわる可哀想なお話に、科学と人間の問題や、宇宙開発競争をする大国の論理や、オリンピック開発前の東京の空気がピッタリとハマる。
なんでも正義と悪の二項対立としてしまうウルトラマンシリーズの中で、宇宙飛行士が変化したジャミラは、正義なのか悪なのか、可哀想な存在なのか、その位置がよくわからない。
ウルトラマンは、正義という名のもとに列島を改造する土建屋の立場と同じで、日本という土地が持っていた土地ごとの地霊を追い払っていたのが元祖ウルトラマンシリーズである。
ウルトラマンの怪獣はその場の何かを掘り起こすことで登場していた。(もちろん宇宙から、ケムール人やバルタン星人、メフィラス星人、ゼットンなども来ていた。)
土地や人の心に潜む暗黒面と戦うのがウルトラマンだった。(セブンは逆に宇宙からの侵略者たちだった。)
ジャミラとはなんだったのか、それを通して、日本の進むべき道を探りたい。
勝手に考えた。『深いぞ、水際のジャミラ。』
コップのフチで生まれるドラマ ガチャガチャ最新進化系