蓮田市には、黒浜貝塚というのがある。
場所は、蓮田市役所の南側の区域だろうか。
2014年3月に「国指定史跡黒浜貝塚整備基本構想・基本計画」が作られた。
https://www.city.hasuda.saitama.jp/bunkazai/kyoiku/bunkazai/bunkazai/kurohamakaizuka/seibikatsuyo.html
その試みがおもしろい。山とビーチを公園内で再生しようとしている。
スマホでも過去の景色を確認できる。
蓮田市は、過去、海辺だった。
蓮田市の縄文遺跡を調べることで、当時の海辺の位置が分かるらしい。
そして、貝塚から出る貝の種類を調べると、貝の特性から、当時の吃水地が推測できる。
黒浜貝塚では、そのビーチ(渚)の記憶を掘り起こそうとしてる。
また、森の整備としては、縄文時代の植生を再生しようとしている。
そのため、縄文時代にはなかった竹林が撤去され、当時のコナラ亜属を主体とした落葉広葉樹や、自生していたと思われるわらびや、ウド、アケビなどが植えられる。
2016年の今、どこまで整備されたのか、見るのが楽しみである。
ここの公園には、『AR(Augmented Reality)』ビューポイントというものが設けられている。
設定地点で、スマホをかざすと、当時の生活風景や解説が表示されるというものだ。
近畿日本ツーリストも真っ青な最新性を取り入れている。
「スマートツーリズム」~タイムトリップツアー~近畿日本ツーリスト CEATEC JAPAN 2015( シーテック ジャパン)
ナショナルジオグラフィック2013年9月号は、『沈む地球』という特集号だった。
氷が溶けると関東平野は海の底となる。
今から5,500年前は、このあたりは海だった。
地球の営みにとって、ビーチ(渚)の位置は、しょっちゅう変わっているのかもしれない。
蓮田市は、海辺の記憶と山の記憶を同時に残す公園を作ろうとしている。
日本人が、手先が器用で、いろいろなものを開発するのが得意なのは縄文時代に始まっていると思う。
また、そのほかには、黒浜式土器の形が気になる。
https://www.city.hasuda.saitama.jp/bunkazai/kyoiku/bunkazai/bunkazai/kurohamakaizuka/kurohamadoki.html
火焔土器をシンプルにして、炎の部分を、スッキリと抽象化した気持ちよさを感じる。
坂本龍一さんや中沢新一さんがこの土器を見たら、土器が関西弁を喋っている、とでもつぶやくだろうか。
東日本のゴツゴツしたセンスとは別のものを感じる。