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カテゴリ:革モノ作り
設計図づくりが終わったら、いよいよ製作・・・とはなりません。
では、続けましょう。 4.ファスナーや金具を選ぶCADの設計図を作りながら、デザインの詳細を具体的に決めなければなりません。 例えば持ち手一つとっても、持ち手の太さ、そのための芯材のサイズ、長さ、本体との取り付け部分の形状、その位置、取り付け方法、金具を使うのか否か、使う場合はその大きさは?色は?形は? ということで、革以外の部品もカタログなど見ながら検討していきます。 今回、ファスナーはYKKエクセラを使うので、ファスナーの専門店に出向いて、テープやエレメントやサイズなど、オーダーでの用意になります。 金具も金具屋さんに出向いて、実物を見ながら革の色やデザインとあうものを選びます。 ファスナーテープにしろ、金具にしろ、とにかく種類が多いのでどれがベストなものか、本当に迷います。金具なども全て決まったら、試作に入ります。 (YKKファスナーはテープの色が多く、ほぼ希望通りの色が探せます) 5.試作CADデータを印刷してそのまま革に当てて切って作りはじめる・・・ようなことはしません。 使う革と近い厚みと弾力のある資材を使い、型紙通りに試作品を作ります。 試作を作りながら本番の制作手順を確認し、見落としていた部分があれば型紙を修正します。 玉縁の出方や曲線部分などは、バッグの印象を決める重要な部分なので、本番で使う革を使ってシルエットを確認します。 また、初めて作る形状の持ち手、ベルトなども、実際の革で部分的な試作をして、芯材や厚みなどの組合わせを確認していきます。 試作が一発で決まることはそうそうありません。 特にバッグはシルエットが全て(と思ってます)。 頭の中で思い描いていたシルエットに出来上がらなければ、型紙を作り直します。 各部分の辻褄をあわせるため、1箇所修正があっても、大抵は全体を手直しすることになります。 新しい型紙で更に試作し、自分のイメージ通りになるまで修正を繰り返します。 思い描いた通りのシルエットのものを作るには、試作の工程は外せません。 特に柔らかなクロムなめし革の場合、試作をしない、またはおざなりにすると、思っていたのとは何か違うものができあがってしまいます(^^;) 6.型紙作り試作ができたら、本番の型紙を作ります。 私の場合、印刷した設計図の紙を厚紙に貼り付けカッターで切って作っていますが、本番の型紙にはサイズや他の部品との取り付け場所の印などの他、試作をした時に気づいた製作上の注意点なども書き込んでいきます。 しっかりした試作をし、情報を書き込んだ型紙を作っておけば、次回以降はその型紙を使って同じものが作れます。 ところで、ごくごくまれに「型紙をいただけませんか?」という問い合わせがありますが・・・ お渡しすることはできません。 自分オリジナルの型紙は、革のものづくり(レザークラフト)で最も重要な財産です。 ご理解ください。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月11日 01時48分52秒
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