「千里眼 the start」by松岡圭祐
これまで小学館で400万部を売り上げたシリーズの角川書店への移籍第一弾。こんなことってあるんだねぇ・・・・この作者の本はこれまで小学館がメインだったのに、人気シリーズごとに他の出版社に振り分けられてる・・・・催眠シリーズは講談社文庫、マジシャンは新潮文庫へ。読者としてはちょっと複雑。これまでひとつの出版社だったこともあって、シリーズの垣根を越えてキャラクターが行き来してたのも楽しみのひとつだったから。細分化されてしまった今、こういう楽しみはなくなるんだろうな。移籍、新シリーズにあたって、主人公である元航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットにして、現在臨床心理士の岬美由紀の設定もちょっと変更されている。より人間らしくなり、具体化したというのはあるかな。でもこれまでの経緯はどうなるの??と思ってしまう。今回は三冊同時に発売ということで、もちろんこれまでの敵が出てきたりで小学館時代との連携は取っているんだけどね。これまでの千里眼シリーズでは主人公・美由紀の人の表情を読む能力などがちょっと誇張してかかれてた。新鮮だったのが、今回は最初からその能力を科学的根拠はないと言い切った点。ちょっとエスパー的な見方をされてしまっていた主人公を人間に戻したという感じ。心理学に元から興味があったためか、その作品でところどころ出てくる科学的根拠が読む楽しみになった。小説なんだけど、ちょっとこれまで間違った知識をもっていたな・・・というところも感じられてお得だった。あと2冊。これもきっとあっという間に読み終わるんだろうな。あと2冊