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カテゴリ:生活
日本は国民皆保険だと思い込んでいた。どうやら実際は違ってきているらしい。
国民健康保険は予備校で社一の法律科目として学習する。しかし、それだけでは見えないことがたくさんあるということだ。 平舘英明「死活ライン」を読んで驚いた。 国民健康保険の加入者は4500万人に及ぶのだが、保険料を払えないひとが10%もいる。 昔から未納者に対して自治体は保険証の代わりに資格者証を出せるとなっていた。だが、00年にそれが義務化されて、未納者に対する罰則まで設けられた。要は国は自治体に未納者から国民健康保険者証を取り上げることを義務化した。 けれども、それによって納付率が上昇した訳でなく、逆に減少したという。 結局、保険料が高いものだから払えないひとは払えないということだ。どれくらい高いかというと年収288万円の世帯でなんと54万円。 そこで病気やケガでも病院に行きたくても行けない悲劇が生じる。具体的な話は、「死活ライン」に譲るが、まあ、なんというか絶望的な国やね。 構造改革は方向性は間違っていないと思う。民間に出来ることは民間に、地方に出来ることは地方に。これは全くその通りなんだと思うのだが、実際に起きていることは弱者切捨てや地方切捨てなんだよな。 社会的弱者の置かれている状況などメディアは取り上げないし、したがって一般のひとは関心がない。そもそも自分たちのことで精一杯なのだ。 そしてどうやら我々だって死活ラインと隣合わせなのらしい。 何かが間違っているんだがその何かが一体何なのかがわからない。小さな政府を支持してきた国民だが、大きな格差を生み出す具体的な痛みが徐々に知れ渡るにつれて政治に関心を持たざるを得なくなる。 いまはそんなフェーズのような気もしてきた。否、関心もたざるを得ないでしょう。もはや死活ラインと隣り合わせなんだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 3, 2007 10:46:34 PM
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