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カテゴリ:本
最近は、子供に金がかかるので、本は新書しか買わない。きょうは新書を3冊も買ってしまった。すっきりした。やはり、消費はストレス解消にいい。
まず、瀬戸内寂聴「老いを照らす」(朝日新書)。別に瀬戸内に思いいれはない。ただ、立ち読みしていて面白そうだと思ったのと、プロフィールを見て1922年生まれとあったので、85歳になっているのか、年寄りの言葉は聴く価値があるなと。 もうひとつは仕事系。中沢孝夫「すごい製造業 日本型競争力は不滅」(朝日新書)。こいつの前書きを読んで打たれた。 …例えば、誰にでもできる仕事から始めて、ついには取引先に提案するまでに人が成長するには、多くの時間とコストを必要とする。あるいは良い製品を取引先に届けるだけではなく、絶えざる改善やアイデアを届けることによって、取引先との間に大きな信頼を獲得するのにも、目に見えない無数の努力が隠されている。しかもそうした努力や経過の厚みも、マクロ的な経済や景気の動向によっては、崩壊してしまうときがやはりある。 世の中は「努力をすればなんとかなる」というほど甘いものではない。しかし、努力なしの棚ぼたの幸せというものもありえない。「それでも今日、リンゴの木を植える」という言葉があるが、いつも「それでも」と歩んでいるのが日本の「現場の人々」である… …筆者にいわせると、中小企業をマグロの数字で大企業と比べるのはほとんど意味をもたない。また賃金、財務・損益、業況判断や倒産といったことを平均値でみることも無意味である。ばらつきが大きすぎるのだ。もちろん、平均値で抽象化した「論」が存在していることも知っているが、問われているのは具体的な事実である。 その上でもう一度いう。 わが国には、本書で紹介するような「優れた現場」が無数にあり、そのような「現場」が増え続けるかぎり心配はない。いやもっと積極的に、「夢」あるいは「期待」といったものがふくらんでくる。そうなのだ。もっと「誇ってよいのだ」… あと一冊は、大竹文雄「こんなに使える経済学―肥満から出世まで」(ちくま新書)。これは積読で終わるだろう。大竹先輩には申し訳ないが、生活臭のない話に切実な関心はもはやもてない。年を取り過ぎた。 ブログでは、在野のアナリストが面白かった。きょうの記事は、日本は景気対策をすべき時。 …今日は色々な意味で驚きました。日本株式市場の脆弱さがすでにここまで来ているのか、ということです。リンク債のノックイン価格14231円が意識され、メリルリンチの150億$の巨額損失報道などで、この水準を一気に抜いてきました。今後、日経225型の売りが増えると見られており、相場の戻りを期待することが難しくなります。一部で14000円割れも囁かれ、底値が見え難くなっています… …では日本はどの段階にあるかといえば、指標的にはとっくに第二段階を経ても良いところですが、未だに第一段階で留まり、対策の手はありません。ブッシュ米大統領が一般教書演説で一人500$近い減税を訴えるそうですが、それが有効かどうかより、何かをするという明確な意志が、米国では感じられます… …日本政府には今回の問題は日本と関係ない、という甘い認識があるのでしょう。放っておけば直に戻る、そんな楽観でいます。しかし事実日本の景気は底割れしており、対策が必要な段階にきています。1%以下の政策誘導金利は何の意味もなく、金利引下げは意味がありません。政策面での対策が必要な時なのです… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 12, 2008 01:58:59 AM
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