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カテゴリ:きょうの宣言
阿修羅過去ログから一部抜粋。
そのまえにジャパン・ハンドラーズと国際金融情報というブログ主が新刊を出すとのこと。「世界を動かす人脈」というタイトルで、おまけに講談社現代新書だから、普段の小遣いの範囲で収まる。買いですね。 ところで、昨日は、社内行事で、朝5時に起きて、昭和新山国際雪合戦道央地区大会(札幌オープン雪合戦)に参加した。ひどい雪で、気温も低かったので、すっかり体調を崩してしまって、さっきWセミナーからの帰り、意識が朦朧として、倒れそうになった。 ぼちぼち社労士の勉強にまじめに取り組まなあかん。きょうの答練がやっぱり刺激的だった。伊達に授業料を払っているワケではないと改めてリアルの力を思い知った。これからは、このブログも、大きな話ではなく、徐々に小さな話にフォーカスしていこう。 ところで、森永卓一郎の「年収崩壊」を読了。これは小さい話が詰まっていて、非常に勉強になった。特に、固定電話から携帯にかけるとき「0033」を押すといいとか、ためになるし、ラテン系のオーラというか、こころ構えみたいなものが隅々に横溢していて、すごくよかった。サバイバル生活の必読本だ。 「輸出マシーン」と「比較優位の原理」 投稿者:ueda 投稿日:10月 7日(火)07時56分29秒 …日銀とFRBを比較すると、結局のところ、『円デフレ』の分析に落ち着いてきます。 「欧米諸国の銀行やその他の金融機関は、経済の総信用量を金利、中央銀行の預金準備率、市場での資金需要などを通して決定されている。日本の銀行はそうした決定をしてこなかった。総信用量も日本銀行内部で決定された。まさに日本銀行は一定の経済活動水準で必要とされる発行銀行券の裏づけとなる信用を供給した。」P.79 ここで「円デフレ」が何を言ってるのか、といえば、FRBはアメリカ資本主義のビジネス・サイクル(景気循環)を調整するために創出された機関であるのに対し、日銀は日本資本主義(国策資本主義・護送船団経済)そのものを創出する役目を負っていた、ということです。経済機関としてみれば同一の機能を持っているにしても、社会・時代の経済環境の中での与えられた役割が相違していた、ということです。 で、日銀が日本の資本主義のエンジンになり、そこに「輸出マシーン」が形成されました。ここで、マンキュー氏のテキストなどを見て不思議になるのは、「比較優位の原理」を説いて貿易は必ず生活水準を向上させる、という論陣をあちらの経済学者が一致して主張することです。その裏づけ・根拠をアダム・スミス、リカードが提供しました(マンキュー『マクロ経済学』P.79)。であるなら、なぜ明治・大正の日本人は、そのような比較優位の原理に基づく貿易をしなかったか、です。 しかも、問題は、これが今も続いている、という点です。 「現在では、重商主義的な方法はその役割を終えたあとにも生き延びている。日本が輸入障壁や自給自足的な考え方に縛られて自由貿易を忌避していることが、いまや日本が絶対に必要としている経済の回復を阻害しているという点では、日本の国外では意見の不一致はない。」『円デフレ』P.102 これは、明治時代に正しかったものが、現代も正しいか、という問題です。 で、マンキュー氏の資料では、この期間、日本は世界で一番の経済成長を達成した国です。問題は、貧困国がリッチ・カントリーになった時点で、貧困時代の経済システムをいまだに採用していることの是非です。 私が思うに、明治時代の日本人選択は正しかったと思います。その時代に「比較優位の原理」で自由貿易を迫られたら、すべての領域で産業がなかった日本は、欧米列強にいいようにやられたでしょう。その実例の一つが、幕末の金・銀の国外流出です。資源を奪われるどころか、産業の育成まで阻害されたでしょう。自給自足経済の確立というのは、「比較優位の原理」が機能する時点にまで日本経済を持っていくための、必要不可欠の成長段階だったと私は思います。 で、このシステムを世界第二の経済大国になった時点でやってもいいものか、です。 今の日本はもう明治・大正時代ではありません。比較優位の原理は、日本経済ではこれから発動されるべきものでしょう。 ただ、この原理で発生するマイナス面をマンキュー氏も指摘します。 「国際貿易は、一国全体をより豊かにすると同時に、国民の一部をより貧しくすることがある。アメリカが食料を輸出して自動車をゆにゅうする場合、アメリカの農夫への影響とアメリカの自動車労働者への影響は違うものになる。しかしながら、政治家や評論家がしばしば述べる意見に反して、国際貿易は戦争ではない。戦争は勝利する国と敗北する国を生み出すが、国際貿易はすべての国をより繁栄させるのである。」P.80 日本は、この貿易によって不利をこうむる国内企業を保護するために、「輸出マシーン」構造を作ったわけでした。輸出はどんどんするが、輸入は必要不可欠ものものしかしない、と。その結果が、黒字の退蔵でした。 すると問題は何か、です。 日本は、もう黒字退蔵による円デフレを回避できるまでに経済成長を達成した国であることを、私たちが自覚することでしょう。そうすれば、行動パターンが変わります。この線で考えていけば、輸出マシーンを維持するために円売り介入をするよりも、もっと別な対策が見つかるでしょう。 あちらの経済学者が一致して説く「比較優位の原理」ですが、これは、彼らが西洋列強の立場から説く原理である、という側面があることを私は強く感じるのですが、これはまた別の機会に。 それから、マンキュー氏のテキストに出てくる、次の指摘も興味深いです。 「中央銀行がどのような金融政策を実行しても、生産量と失業率は長期においては自然な値に落ち着く。」P.471 この指摘から、幾つかの疑問が浮かんできます… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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