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カテゴリ:本
きょうは「エンデの遺言」(NHK出版)より。
…お金の問題を考えてみるとき、お金が存在しない状態を想像する必要があります… …余資をもつロビンソンは、実は不利な立場におかれています。それはモノにはそれぞれに特有な減価率があるからです。時の経過のなかで傷んでいくわけです。どのようなモノも、ごく少数の例外を除いて、それぞれに特有な率で劣化していきます…これに加えて保管の費用やら、モノの保有にはお金に比べてコストがかかります。ですから、もしこれを借りてくれる人がいれば、モノの減価分に保管費用を足した分を貸し付けた量から控除した量が返済されても、何の損もありません… …しかしお金が介在してくると、つまり貨幣供給者が登場すると事情は一変します。プラスの利子が成立してしまうのです。お金はいつまでもっていても減りはしません…実はこれがお金をもっている者とそうでない者との間に不平等をつくりだしてきたわけです…お金をもっている人間はお金をもちつづけていても費用がかかりません。対照的に、例えば、農民は種をまくのを延期できません。ですから、種をまく資金を借りるのを急かされることになります。これでは、取引をしようにも、立場が違いすぎます。片方は、自分に有利になるまでいつまでも待てるわけですから。もう片方はとにかく急かされています。貨幣供給者が農民に金を貸す場合は、利子を請求します。いやだとはいえません。とにかく資金がいま要るのですから… …貨幣供給者の最たるものは銀行です…銀行はお金を扱います。お金は、もっていても劣化しません。取引でお金をもつほうはもちつづける余裕をつねにもっています。取引で自分が有利になるまでももちつづけることができます… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 24, 2008 09:57:27 PM
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