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カテゴリ:本
きょうは「株式日記と経済展望」より。既存のメディアが絶対書けないこともネットならこうして流通する。非常に面白い見立てだと思う。株式日記と経済展望さんの意気に心打たれました。ただし、楽天ブログは文字数制限がきついので、大幅にカットしてあります。コメントの中にも興味深いものがありましたが、引用できませんでした。フルバージョンに興味のある方は、リンク元に行って、見てきてください。
この国を支配/管理する者たち 中丸薫・菅沼光弘/著 ◆小泉さんの背後にある、怖いもの 怖い話をします。小泉さんは、野中さんを打倒するという。何であんな大胆なことまでできるのか。今までの政治家なら決してできなかった。これはみんなヤクザの力を恐れるからです。例えばあの権勢を誇った竹下さんですら、小さな右翼の皇民党の褒め殺しに恐れおののきました。中曽根さんも、右翼と称するヤクザに自分の家のお墓をこっぱみじんにやられてしまって、それ以来、随分変わってきたわけです。特に中曽根さんは、そういう問題についてものすごく神経質でした。 アメリカでも、例えばレーガン大統領もダーンとー発やられたら、全く変わってしまった。アメリカは、リンカーンから始まってケネディまで、大統領が次々と殺されている。暗殺の歴史です。アメリカの大統領はみんな、いつ殺されるかわからない状況の中でやっているわけです。 かって日本の政治家もそうでした。今は、多くの政治家が、政治資金などで何かしら暴力団と絡まっているのです。例えば亀井静香さんは暴力団から金を直接もらってなどというウワサが流れている。だから、暴力団の動向にはものすごく敏感なのです。山口組に関係があるなどといわれる政治家に正面から盾突くなどということは、どの政治家もできなかった。 ところが、小泉さんはそれをやった。当然、利害関係は反するわけです。小泉さんは、まず手始めに肉のハンナンという会社を摘発した。野中さんの政治資金源を断つためです。ハンナンは、もともと大阪府同和食肉事業協同組合から発展した会社です。同和問題というのは、いまでも日本の一種のタブーです。ご自身でも認めておられるように野中さん自身が同和の人です。 このハンナンを裏から支えていた政治家として、車を提供されていた鈴木宗男さんとか、九州の何とかとかいろいろいわれているのですが、その一番の支援者は、これこそ野中さんです。その政治力で、ハンナンに対しては、大阪国税局もいまだかつて国税調査に入ることもできなかったし、警察も検察も、何にもできなかったといわれています… …まず山口組の資金源を断つという形で、小泉内閣は警察や税務当局とタイアップしてハンナンをやったのですが、もう1つの隠れた目的は、アメリカの要請に従って、不良債権のもとになっている日本社会独特の闇の部分を透明化するという政策でした。まず、そういう仕組みを政治的に支えている人たちを次々に追放していこう。そしてそれは成功しました。 同和対策特別措置法は時限立法で、それもちょうど終わりました。だから、同和の事業とか地域に対して国民の税金が自動的に出ていくシステムはなくなった。今まで述べた一連の動きは、その時期ともかなり一致しています。それも含めて、かなり意図的にやられたわけです。これは日本の不良債権をもっと透明化するためです。 そうなりますと、金融機関はゴルフ場などに金を貸さなくてよくなったので、バタバタとたくさん倒れたのです。つぶれたゴルフ場をだれが買ったか。それはゴールドマン・サックスです。 ◆9・11選挙と背後のヤクザ抗争 …そして、今まで野中さんの子分中の子分であった京都農協の会長、全国農協の副会長で、オレは8兆円の金をいつでも動かせるんだと豪語していた男、中川泰宏さん、かつて中川さんの京都農協は、野中さんの命令で、脱法的に米をバンバン北朝鮮に送っていた。小泉さんは、何とその中川さんを自民党公認にした。毒をもって毒を制しようというわけです。この一騎打ち、わずか150票余の差で中川さんが勝った。これで勝負がついた。野中さんは小泉さんの軍門に下った。これが今度の総選挙の決戦なのです。 しかし、野中さんは関西の山口組と関連があるといわれてきた。小泉さんはどうしてその資金源まで断つことができたのであろうか。これはひとえに、暴力団稲川会の支援があったのではないか。小泉さん一家は祖父の代から稲川一家と関係があったといわれる。稲川会が、命をかけて小泉さんをガードする。稲川会健在の限り、山口組もあそこへ1歩も踏み込むことができなかった。だから、小泉さんは何でもやってしまったのです。それで選挙で勝った。 ハマコウ(浜田幸一)さんは稲川会の関係者だといわれています。ハマコウさんはテレビに出て、いろいろ小泉さんの味方をしている。また、小泉さんに反対する自民党議員に衆議院の郵政民営化法案投票の前日に、ハマコウさんから電話がかかってきたと私は聞きました。「てめえ、何だよ。何でおまえは総裁の決定に反対するんだ!おまえも自民党の党員だろう」とやられた。暴力団そのものです。みんなやられたのです。そんなことまで何でやるのか。彼が稲川会の関係者だからです。 稲川会で注目すべきは、アメリカの裏社会との関係です。稲川会2代目の石井進会長の時代、ブッシュ・ファミリー、とくに今のブッシュ大統領のおじさんと親交があった。稲川会と関係のある、ある右翼の会長が、全国の事務所に、ブッシュ元大統領と2人きりで撮っている写真をかけていました。何でこんな写真が撮れるのか。撮影当時は現職のアメリカ大統領です。日本の総理だってなかなか難しい。みんな弟ブッシュ、つまり今の大統領のおじさんの力です。要するに、ヤクザの世界からいえば、ブッシュ・ファミリーは稲川会と癒着している。 ところが、時代が変わって、石井進さんは、とっくの昔に死んでしまった。石井さんに弟子入りして、次の会長になっていた稲川さんも、しょっちゅうオーストラリアに行って肝臓の手がん術をやったのですが、最近癌で死んでしまった。後継者がまだ決まっていない。だから、今、4人の親分衆が集団指導体制をしいています。組織全体が動揺しているようです。 一方の山口組は、名古屋から新しい人材が入った。今の組長は司忍(本名・篠田建市)という人物ですが、銃砲刀剣法違反で収監された。しかし、総理大臣に当たる若頭も既に名古屋から高山清司という人が来ていて、新体制をがっちり固めている。それで、山口組は反撃を始めた。その反撃の第-弾が関東進出。銀座や六本木を縄張りにしている国粋会が、いよいよ山口組の傘下に入った。だから、今、銀座は山口組が支配しているのです。 9・11の総選挙は、裏社会でいえば、稲川会対山口組の戦いでもあった。ところが、山口組が負けた。しかし、選挙後、山口組は新体制をかため、いよいよ反撃に出はじめている。これはいろんな影響があると思うのです。小泉さんは、選挙で3分の2議席をとったといっても、数なんか何の意味もない。政治というのは、そんなきれいなものではないのです。 最近は、ヤクザの世界も国際的なつながりが深くなっているのです。だが実態はなさけないかぎりです。かつて、ある人が山口組の幹部にいったのですが、「あんた方、もともと国際的な組織なんだから、こんなところでうろうろしてないで、どうせつぶされるから、東南アジアでもどこでも行って商売をしなさいよ」といったら、「いまは我々にはそんな力はありません」ということでした。 昔、日本のヤクザは大陸をはじめ海外のあちこちに行っていましたが、そのときは、軍という後ろ盾があった。それがなくなってしまった。戦後は、やはりお金、ODAなどという後ろ盾があった。タイのバンコクでも、日本のヤクザがたくさん入っていた。そのころは、まだ日本がどんどんお金を出していたからです。ところが、今はさっぱりダメになっている。アジア全体で、ヤクザも含めて日本全体の存在の影が薄くなってしまった。かわって中国です。今、東南アジアの裏社会は、すべて中国マフィアが支配しています。 5代目の山口組には任侠道はありませんでした。ゼニだけです。ゼニのためなら何でもする。昔、ヤクザの人たちは、最低限度、泥棒だけはしなかったのです。ところが、最近は、中国人の泥棒の手先にまでなっています。しかし新体制の山口組は、いささか様子が違うようです。山口組の再興をはかろうとしています。これが表の政治や経済の世界にどのような影響を与えるか注目を要するところでしょう… ◆靖国神社参拝問題は、経世会の中国利権つぶし! 小泉さんは、首相になる前には、1回も靖国神社に行ったことはなかったのです。何で急に靖国参拝をいい出したか。首相が靖国神社に参った結果、日中関係、日韓関係はガタガタになりましたが、よくよく考えると、小泉さんにとって、靖国神社参拝はそんな対外的な問題ではなくて、ひとえに田中派というか経世会をぶっつぶすためであった、ともいえます。 中国の利権は、田中角栄さんの訪中以来、すべて経世会が握っていたわけです。それは、竹下さんと中国の関係を見てもよくわかります。竹下さん亡き後、それを引き継いだのは額賀福志郎さんともいわれているが、人脈的にいえば野中さんです。中国共産党の前総書記江沢民の子飼い中の子飼い、曾慶紅さん、今はナンバー2の実力者ですが、その曾慶紅さんと野中さんはツーカーの関係でした。日中友好の状況下で利益を一番吸い上げていたのは竹下派でした。今、日中関係がおかしくなってしまって、この資金源を完全に断ち切られた。経世会のもうひとつの資金源はぶっつぶれてしまったわけです。 野中さんたちは、現胡錦濤政権でなくて、その前の江沢民政権と癒着していた。逆にいいますと、そういう人たちの凋落は、胡錦濤さんにとってかなり好ましい状況なのです。胡錦濤さんは、まだ日本とのつながりは全くない。江沢民時代までの古い日中の人脈は、これですべて切れてしまった。小泉さんにとってみても、日中関係も新しい方向にいくわけですから、これは大変結構なことなのです。 以前は、日本の企業、例えばトヨタが進出するときに、中国は許認可をなかなかタイミングよく出してくれない。ところが、竹下さんに頼めばパッとできた。竹下さんが何を握っていたのか。中国で権力が一番あるのは軍です。中国人民解放軍の総後勤部というのがある。竹下さんのつながりはそこだったのです。総後勤部は、かつては中国の国有企業を100%握っていました。運輸鉄道網、薬屋、酒屋までそうだったのです。 紹興には、古越龍山という紹興酒の一番大きな酒蔵がある。私がそこへ行ったら、玄関に軍人の写真が飾ってあるわけです。驚きました。しかしよく考えればこれはみんな軍の企業だ。酒も、お茶も、みんな軍が握っている。これではあんまりだというので、改革・開放でガソリンスタンドとか、目につくものはだんだん民営化していった。それでも、今の重要産業はみんな軍が握っています。したがって、軍の命令-発で何でもできてしまう。 だから、竹下さんに頼めば、どんな企業でもぱっと進出できる。そのかわり、その企業は竹下さんに応分以上の政治献金をする。何も中国から金をもらうわけではありません。利権というのは、みんな日本の企業からお金をいただいているわけです。 小泉さんは、日中のそういうつながりを断ち切ろうという目的を達したから、靖国神社には一もう余り関心はないのではないか。靖国に参り、日中関係を更に悪化させる理由がない。小泉さんは、自分の目的とするところはやってしまったからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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