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きょうの朝刊。経済財政諮問会議の八代尚宏と弁護士の中野麻美が激突していた。悪魔の手先とそれに立ち向かう正義の使者という感じだ。悪魔の手先の弱点を挙げるとすれば、民間企業が史上最高益を挙げても賃金に反映しようとしない現実を無視して、ひたすら市場主義を礼賛しつづける硬直した態度だろう。対して、正義の使者はあくまで現実に立脚した発言をし続ける。たとえば、規制があるから企業はやむなく雇い止めするとの意見に対して、現実をよく見ろ、3年の派遣期間規制が足かせになっているのではない、それが証拠に有期雇用の契約期間は3年どころか、6ヶ月、3ヶ月、そして日雇派遣になっていて規制と雇い止めは無関係だ。これでは労働者は将来をまったく見通せない、そんな状況では、結婚もできないし、子供も作れないと主張する。世間知らずの観念論者と百戦錬磨の現実主義者の戦いだ。観念論者はニヒルで情がなく、現実主義者は弱いものの痛みを知る。普通は逆なんだけどね。経歴の違い以上に、発言の内容に垣間見える生きざまの違いが対照的な二人だ。ところで、この対論の記事はひどい記事だ。素材がどさりと生のまま無骨に目の前に置かれてもねえ。これじゃあ、読めないでしょう。いくら旬の素材だからといってもね。