灼眼のシャナS - マージョリー・ドーのほろ苦い思い出 -
最近よく「灼眼のシャナ」シリーズを読んでいるが、今日紹介するのは、「灼眼のシャナS」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川書店)である。3つの短編からなる、シリーズの番外編のような短編集だ。収納されているのは次の3編。 ○「灼眼のシャナマイルストーン」 題名に「シャナ」とあるが、シャナは出てこない。この話の主役は「弔辞の詠み手」マージョリー・ドーである。かって、ニューヨークで、マージョリーが紅世の徒と戦った。共に戦った「誰かを助けたい」という思いを持ったフレイムヘイズ,「魑勢の牽き手」ユーリィ・フヴォイカ。しかし、それは、フレイムヘイズにとっては命取りになるような危険があった。マージョリーのほの悲しい思い出の話である。○「セレモニー」 皆で、吉田一美の誕生日を祝う話。恋敵のシャナは同級生の真竹とケーキ作りをがんばる。マージョリーもヴィルヘルミナも、御崎高校の仲間たちも皆で誕生日を盛り上げようとする。一美の弟の健が用意した、最後のサプライズが感動的。○「キープセイク」 かって、「炎髪灼眼の討ち手」がシャナではなかったころの話。紅世の徒の集団である「九垓天秤」の大幹部である「闇の雫」チェルノボーグと「大擁炉」モレクの中学生のような恋物語。「九垓天秤」のNo.2のくせに、やたら気遣いをして貫禄の無いモレクとそんなモレクを密かに気にしているツンツンキャラのチェルノボーグの様子が微笑ましい。敵役の方にもこんなエピソードあるのだということを描いた異色の作品である。 この3編の他に、本編第1巻で出てきた「狩人」フリアグネとマリアンヌによるQA方式で、シャナに関する色々な質問に答えているのもファンにはうれしいおまけであろう。ただ、この作品をいきなり読んでも、この世界の設定や色々なエピソードが分かっていないと、楽しめないところがあるかもしれないので、ある程度本編を読んでから、こちらを読むことを勧める。○応援クリックお願いします。(両方押してね) 「灼眼のシャナS」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川書店) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら