たびんちゅう沖縄を歩く No.17
もう18:00近いせいか、目の前のガソリンスタンドでは店終いの準備を始めている。沖縄は東京より約1時間ほど夕暮れは遅いが、『もうそろそろ暗くなるのだろうか?早く宿を見つけなければ!』とそんな気持ちが頭をよぎり、残りのビールをまたまた一気に飲み干し、ゆっくりと起き上がる。今日でまだ歩き始めて2日目。足は痛いし腰も痛い。汗はダクダク、体フラフラ。でもそんな体と気持ちに鞭をふるい、何とか立ち上がり重い足を引きずりながら歩きはじめるが、ここは工業地帯。民宿もビジネスホテルなども全く見当たらない。地図で確認するとあと少しで国道58号線にぶつかる。国道沿いにはきっとホテルくらいはあると信じ、あとは気持ちのみで歩く。すると国道まであと少しというところにサンマリナ・ナハというビジネスホテルがあり、すぐさまフロントへ駆け込む。もうこの時点でホテル代などどうでもいいからという気持ちがあるのだが、一応儀式ということもあり「一泊いくらですか?」といつもの台詞。フロントのおじさんはいきなりのお客ということもあり、一拍おいてから「4,200円ですけど・・・。」とこちらを伺うように返事。それを聞くや否や(as soon as)「一泊お願いします。」と大きな声で申し込む。そして部屋に入り、ベッドに倒れこむ。今日一日糸満からここまで、本当に苦しかったことを思い、しばし呆然とする。しかし汗は一向に引かず、今日一日最後の力を振り絞って、部屋にある風呂に向かう。昨日の民宿、ビーチのシャワーの経験から、『きっとここでも、水はぬるい!』と判断し、シャワーを浴びるのではなく浴槽に水をためて入ることにする。その間サポート隊に電話し、今日一日のことをじっくり報告。出発前にサポート隊には「なんとか歩けるかな!」などと強気な発言をしていたが、この2日間を思い出すと何とも自信がない。本当に帰りたい気分になる。浴槽に水がたまったのを確認し、おもいきり裸になり水風呂に入る。『気持ちいい。すごく気持ちいい。』それだけしか言葉が浮かばない。その後どれくらい水風呂に入っていただろうか?汗も引き、体の芯が落ち着いたところで、風呂から上がる。エアコンも効き、体のほてりも冷め、ゆっくりとジュースを飲みながらタバコを吸い、窓から見える那覇市を見下ろす。ちょうどホテルの前にコンビ二があり『夕飯でも買うか!』と思い、フルチン&短パンをはき、ホテル前にあるローソンにて冷やしうどん購入する。すぐさまホテルの部屋に戻りうどんを食べ始めるが、思わず『麺つゆが変だよ!』と感じる。以前沖縄に来た時に『沖縄の味付けや食べ物は苦手』と感じたこともあり、『コンビニもかよ!』とちょっとがっかり。でも、せっかく買ったのだから我慢して完食する。その後さっき入った水風呂に洗剤を入れ、Tシャツやパンツを洗濯。また今日一日感じたリュックの重さも再考し、いらないと思うものを再度選り分け、東京に送る。するとまたリュックが1キロ軽くなった。『次回また歩き旅をするときは、余計なものは持たないようにしよう。もし必要になったら,その時現地で買えばいいや』と教訓を得る。そんなこんなで、結局2日目も那覇市内から脱出することが出来なかったが、『今日の悔しさを明日以降に絶対につなげるぞ!』と再度気持ちを新たにするたびんちゅうであった。つづく・・・。平成15年9月14日(日) 歩いた距離:約16キロ。歩数:15,723歩。消費カロリー:792キロカロリー。