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カテゴリ:読書
『チョコレートコスモス』
著者 恩田陸 発行 毎日新聞社 (回想) 私と恩田陸。 かつて絶賛された『六番目の小夜子』を読み、途中まで「おお!まさに私好みの世界だぞ!」とワクワクしていたのが、ラストでなんだかはぐらかされてしまい、不完全燃焼な気分にさせられた。納得いかない。途中まで私の大好きな世界だっただけに余計気に入らない。 続いて『球形の季節』。これまた私好みの雰囲気をかもしだす、奇妙な不安感たっぷりの設定なのだが・・・あかん、やっぱりラストで物語が収斂して来ない。 これは世間で高評価でも、私には合わない作家かなぁ~そう思いしばらく遠ざかっていたけれど、つい『劫尽童女』を読む。 ・・・キングにこういうのあったなぁ・・・宮部さんの『クロス・ファイア』みたいな重さも無いし・・・吉田秋生の『夜叉』にそっくりだけどもっと薄味、花村萬月の『紫苑』とも重なる部分があるよなぁ(この3作品、私全て大好きだす)・・・私の感覚でいえば、中途半端。ってワケなんで、はい、これでもーさよならばいばい~♪ だったのでございます。 それが。 先日、風呂場で読み捨て読書(ほれ、湯気でふやけるし、たまに寝込んで湯船に落っことしたりするから好きな本は持ち込めないでしょ)するつもりで『劫尽童女』を持ち込んで読み出したところ・・・あら?あらら?何で泣いてるのかしら私(爆)。 これは私が間違ってたのかもしんない。この作家さんは物語の起承転結を楽しむんじゃなくてディテールに浸ればいいタイプなのかいな? そこへタイミングよく、移動図書館の棚でこの本を発見。早速借りて読みました。 面白い!面白いよっ!まいすぃーとはーと!(←誰?) 息もつかせずページをめくらされましたがな。 あちこちの読後感想で見かける通り、未完の大河演劇少女漫画『ガラスの仮面』を彷彿とさせます。 演劇界のサラブレッドで美貌で実力も兼ね備えている東響子が姫川亜弓で、ど素人ながら周囲の度肝を抜く演技を見せる佐々木飛鳥が北島マヤね。 もちろんあの漫画とは全然違う作品なのですが、もしかするとこの作品のラストは30年経っても未完のままのあの漫画の締めくくりにふさわしいような気がしました。 それ位納得行ったですよ、今回はね(爆)。 美内すずえ先生、もうこの手は使えませんがどうします?(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.14 01:54:08
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