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カテゴリ:読書
『銃とチョコレート』
著者 乙一 発行 講談社 乙一の本って『夏と花火と私の死体』と『ZOO』しかまだ読んだこと無いんでえす。 なんで、あんまり評価できないですが、「すごい力のある作家だぁ」という感想でした。ですが文体が端正すぎて今ひとつ私の泥臭い趣味とは遠いな、と思っていました。 おもしろいけどのめりこめない、って感じ。 で、評判高いこちらに手を出したのは、登場人物の名前がチョコレートで統一されてるってところに惹かれて(爆)。 だって名探偵ロイズに怪盗ゴディバですよ! わたしゃロイズの生チョコ大好きなんですから!(そんな理由かい) 冒頭から古き良き少年探偵小説を彷彿とさせる物語運びで、懐かしさを覚えつつぐんぐん読んでいくとあらまこれはどうしたことか。 こうきてそうきてこう来るか!(笑)という裏切りの連続。 そーかぁー、対決としてロイズとゴディバじゃ値段からして力負けってとこがあるよ、おかしいな、と思ったらこういう事でしたか、なんてね(笑)。 なるほど、ドゥバイヨルってやはりただの乱暴者じゃなかったのな、とか(爆)。 うーん、でも元神戸の人間としてはモロゾフ出すなら本家モロゾフ一族のコスモポリタン(ロシアから来たモロゾフ氏のチョコレート店はコスモポリタンなんですよ、なんかトラブルがあって商標にモロゾフが使えなくなったらしい)出してほしいとか思ったりしました。 しかし、コスモポリタン製菓去年閉店したんですってね・・・三宮センター街から一つ南に入ったあの懐かしいお店がもう無いなんて。おいしいチョコレートといえばコスモポリタンだったのに!一度あの店でボルシチ食べたかったのに! ・・・ってこれではチョコレート感想だよ(爆)。 小説の味わいとしては、甘くまろやかなリンツのミルクチョコレートをなめてたら、いきなりニガニガビターなカカオ92%なチョコレートにぶちあたってひっくり返り、その間からアルコール度数の高い辛口リキュールがしみだしてきてむせかえってるうち、しっとりと懐かしいホワイトチョコのやさしさがちらっとのぞき、最後にはカカオの香りが華やかで後味スッキリなビターチョコでしめくくり、って感じでしょうか。 ・・・だからこれじゃあチョコレート感想だってばよ(爆)! ただの血湧き肉踊る冒険小説ではなく、現実の苦味と不条理、残酷さをちりばめたとびきり美味なチョコレート菓子を一皿味わった気分です(まだいうか)。 うんうん、息子が11歳くらいになったら読ませたいねぇ。10歳じゃまだ早く、12歳じゃ遅いような気がするよ(笑)。それまでに探偵小説色々読ませておくのが前提なワケだけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.27 18:11:27
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