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カテゴリ:読書
『鴨川ホルモー』
著者 万城目学 発行 産業編集センター 書店の目立つ場所で平積みになってました。 おおそうだ、読書魔神ぷぅさんが感想をアップしてて、気になってたのはこれだなと手に取り、マンガチックな表紙でコミックと間違えそうだな~と思いつつ、表紙の内側の紹介文をみると「このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ」と韻を踏んだ歯切れのいい呼び込み文句が。 よし、買った! 帯の推薦文や書評などからなんとなく池上永一の『シャングリラ』あたりの読者置いてけぼりの疾風怒濤ハチャメチャな作風を想像していたら、少し当てが外れて、設定は魑魅魍魎跋扈なれども本筋的に随分とまっとうな青春小説、って感じでした。 登場人物たちはそれぞれにかなり個性的だけれども、みんな血が通った感じがあって、やってることはオニを使った戦争とはいえそれも昨今はやりのネットゲームに通ずる部分があったりと、日常生活や心理描写がリアルなのでどんな読者層にも受けるだろうな、と思いました。 さらに魅力的なのは、この物語が展開する舞台が京都であること。 元関西人の私にとって、京都といえば470円(20年前当時、今なら510円)で阪急電車に乗って日帰りで遠足や花見、社寺仏閣巡り、美術展観覧、紅葉狩り、ハイキング、ちょっと和風で贅沢なぐるめぐり(ランチ限定:笑)などなどに行くところ、ってイメージでまあちょっと遠出だけど気軽なレジャーランドという認識だったわけですが(ちなみに京都の人にとっても神戸はドライブ、デート、洋食、といった要素での似たような認識だと思う)、結婚して関東に来てからですね、関東の方々の京都への憧憬ってすごいなぁ~と思ったのです。 もう京都は日本文化の真髄、我々とは異次元の、昔ながらの生活が美しく息づいているワンダフルエキゾチックジャパーン!だけどしきたりとか知らないと酷い目に遭う魔界っていう捉え方。 ・・・そこまで崇め奉らんでも・・・と思ってしまうのは元関西人の関西内輪揉めパターンが身に染み付いているからか(苦笑)。 まあともあれ、そうした京都になんとなし憧れを持ってる人たちにとって、次々繰り出される京都ブランド(葵祭、祇園祭、河原町通りとか三条木屋町とか四条烏丸とか)は魑魅魍魎鬼神どもの世界と違和感無く通じていける要素に違い無い。 まあそういう、京都舞台のお話なのでシーワールドのある鴨川とは関係ありませんので、南房総地域の方々はお間違えなく。 あ、ホルモーも、ホルモンと何の関係も無いので、焼肉グルメ案内とお間違えなきよう、くれぐれもご注意を(誰も間違えへんっちゅうねん:笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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