どんな形態がいいのだろうか?
味の素が、アミノ酸の「グリシン」が「すっきり起床できない」「日中眠い」「作業効率が上がらない」といった状態の改善や、深い眠りへのすみやかに移行を促す効果など、「睡眠の質」を改善する作用を持つことが明らかになったと発表した。現在、5人に1人が不眠に悩まされているという発表もあるぐらい快眠市場はかなり大きなマーケットになってきている。泊まるためのホテルではなく、快眠のためのホテルを差別化として打ち出しているところもあるぐらいだ。こんな状況下にあって、一般的にあるアミノ酸の「グリシン」に、睡眠の質を改善する作用があるという発見は、この市場の大型商品になる可能性を秘めている。但し、快眠という機能的ベネフィットだけの商品では、売れないだろう。大塚製薬の「ネムー」とうミルクが、その失敗事例ではないかと思っている。夜に分泌されるメラトニンが多く入っているミルク。トクホを取れなかったことで、効果をうたうことができず訴求できなかったことだけが失敗要因ではないはずだ。機能的ベネフィットすら訴求できなかったのも問題かもしれないが、ターゲットが明確でないこと、ターゲットが明確でないが故に、快眠の結果、どんなベネフィットが得られるのかイメージさせられなかったことに問題があったのではと思う。このイメージさせるベネフィットは、ターゲットによって大きく違ってくるだろう。年齢,性別,働いているか否かや職種など。もし中年男性であれば、快眠によって、バリバリ仕事をして昇進しているイメージ。若い男性なら、快眠によって、効率的に仕事をこなし、アフターファイブでは、彼女とデートを楽しむイメージなどが考えられる。そう考えるとターゲット選びは重要だし、選ばれたターゲットに対して、どういう形態で飲用させるかも重要なファクターになるだろう。ヘルシア緑茶は、その点、よく考えられた戦略を取っていたように思う。恐らく、女性をターゲットにしていたら、失敗していたのではないだろうか。さて、味の素は、誰をターゲットに、どんな商品を出してくるのだろうか、楽しみである。