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テーマ:株式投資日記(20542)
カテゴリ:コーポレートガバナンス
経済産業省は外国資本による電力卸最大手への影響力拡大に安全保障上の懸念を示している。甘利経済産業相は4日の記者会見で、「安全保障に直接かんでいる。これを審査せずしに後何を(審査)するのか」と
要するに だそうです。
記事によると、政府は「TCI(ザ・チルドレンズ・インベストメンツ、英国のアクティビスト・ファンド)に関税・外国為替等審議会の外貨特別部会に出席、説明するように伝えた」とある。 日経新聞では、日本政府はTCIがJパワー株の買い増しを拒否する可能性を示唆している。 これって、ダメだしをするためにTCIをわざわざ日本に呼ぶのでしょうか? TCIの対CSX(米国鉄道会社)に対する役員選任案でも同様に議会に呼んで安全保障云々といいました。 (詳細、拙ブログ アクティビスト・ファンドTCI VS Jパワーその3 3月9日 をご参照)
私は経済産業省がJパワーをMBOする に1票ささげたい気分です。再び国有化するということですね。 残念なことに日興コーディアル証券のアナリスト等はすでに政府がゼロ回答することやJパワーが増配を拒否することをにらんだ値付けをしています。
と、ここまでは、「鎖国ニッポン」の話だが、肝心なのはJパワーがTCI等投資家の意見を聞き入れるかだ(期待薄)。 要は、Jパワーがある程度株主の意見に耳を傾ければ、TCIだってわざわざ巨額を投じて買い増しをする必要性がないはずだ。「(9.9%程度は)少数株主の意見をいちいち聞き入れられない」(Jパワー 社長発言の要旨)なんて挑発するから。 Jパワーは時価総額6000億円を超える大型銘柄であり、TCIはその約1割に投資しているということは相当の金額を投資していることになる。これだけの巨費を投入していて、その銘柄に対し恣意的な影響力を行使するのだろうか?(TCIの投資家は年金基金や大学基金が多い) 原子力の平和利用はともかく、既存の電力会社の隠蔽体質はひどいじゃないか? 活発な株主が適正なガバナンスを働きかけるのは、国民にプラスなんじゃないのかな? 電力会社は総じてぬるま湯体質にあるというのが印象なので、そういった体質を国家がかばうのは疑問だ。 TCIの買い増しによる弊害ばかりを論ぜず、メリット(ガバナンス強化:Jパワーには社外取締役が存在しない。TCIの主張の一つ)にも注目すべきだろう。 「国の安全を担う電力会社」 がそんなに重要だったら。 将来の天下り先だから遠慮しているってことはないだろうな。 TCIの主張は「その3」やほかのエントリーなどで書き尽くしたので、もう繰り返さないが、「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか、その内容は妥当性があるのか」という点と機関投資家他の積極的な議決権行使だろう。 山崎元氏(資産運用面の評論家で「転職11回に成功した」の人)は、議決権行使を極大化しない投資家は運用の極大化を放棄したに等しいと述べられている。 本件、文句言っても仕方ない経済産業省の動向にとらわれず、Jパワーの動きに注目したい(確か次期中期計画を出すんですよね)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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