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テーマ:株式投資日記(20537)
カテゴリ:コーポレートガバナンス
本件においては株式市場も織り込み済みとのことで、Jパワー株への反応も小さいようだ。
ただし、論点が摩り替わらないようにしなければならない。 TCIは今回の買い増しまで9.9%の保有で推移していた。 Jパワー経営陣がたいした反応を示さないため、TCIがJパワーの「実質的経営支配者」である政府に圧力をかけただけだ。 TCIは ・日本の他の電力会社並みの配当の要求 ・独立した社外取締役2人を全13人の取締役会へ入れること ・ROE、ROAといった効率を追求する経営指標の採用とそれに準じた役員報酬体制 ・(このROE、ROAの要求水準は、決してJパワーが達成不可能な数値ではないはずと客観的に思われる) ・持ち合い株式の解消(上場目論見書の投資計画に違反し、かつ含み損は株主価値毀損していると主張) ・海外案件の投資効率の透明性を高めること(現在投資採算が良くないと主張)
要するに電力事業法の範囲内での努力で改善できることを改善しろといっています。
買い増しへの要求後は ・原子力発電諸問題には、追加取得分は議決権を放棄する ・原子力発電所を別会社化してもいい(マジョリティは政府)
一旦要求を受け入れると、次々と要求が加速化する、という意見もあるが、そうだろうか? 投資家も馬鹿じゃないのだから、良識のないものまでTCIの主張に賛同するとは思えない。イナゴの大群を追っ払うのに解決策を考えればいい(株価を上げることだ)。実際、コンプライアンスに問題があったと思われても仕方ない中部電力からはいなくなっている(理由は知りません)。 ただし、Jパワー側に過度な落ち度があった場合(管理不行き届きで発電所が事故を起こすなど)、その時にはかなり立場が悪いだろう。電力会社の経営陣が「ごめんなさい」ってしょっちゅうやっている。 大間原発問題が問題視されているが、「電気の安定供給や原子力に関する我が国の政策に影響を与える恐れを払しょくできない」、甘利明経産相は「われわれは国民生活に責任を持たなければならず、国の安全や公の秩序が保たれるために勧告した」というからには、 原子力発電所の事故、使用済み核燃料の処理問題といった「パンドラの箱」(たいした知識もないのですが、放射能が高いレベルで何万年も発生するのに「300年は大丈夫」といっている政府。そういった廃棄物をコンクリートの塊のなかにドラム缶で入れている保存方法。コンクリートってマンション等ではせいぜい50~100年で風化するんですよね。またクラックとうのひびが入るのはもっと早い)については「国民生活に責任をもって」くれるのか? 「腫れ物に触りません」、といっているTCIに対し、過剰反応する政府の説明責任は不十分だし、理屈っぽくて都合よすぎる。 買い増しさせずに民営化企業としてのあり方を議論する流れになって欲しかったな。この流れが消えると今回の騒動はまったく誰のためにもならないような気がする(高速道路とか郵便局とか予備軍が一杯ありますよね)。 実質政府が支配するんだったらせめて持ち合い株式を解消するぐらいの「お見本」を示して欲しいですよね? 独立性のあるしっかりとした経営体制を構築してほしいですよね? (別に天下りが即、悪だという気はないが、そうとられてもしかたないこれまでの反応) どうせ経営支配できないんでしょ?
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Last updated
2008/04/17 06:37:01 AM
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