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カテゴリ:思い出話
アメリカに来てから働いた職場と言えば、
学生時代にキャンパス内の学生センター(バイト) 留学生定番の日本食レストラン(バイト) カラオケ屋店員(バイト) フロアリング会社の秘書(正社員) 日系放送会社の営業(正社員) 観光雑誌の営業とライター(正社員)(上と同じ会社で部署が違う) 日本食レストランのフロアマネジャー(正社員) 美容院アシスタント(バイト)(正社員) 美容院 てな所が一応『勤めあげた』と人に言える感じで、他にも何かをちょこっと手伝ったり友達と一緒にビジネスと言うよりお手伝いと言う程度で組織的に何かをやったりした事もある。レストランのバイトなんかはロス時代はとにかく引越しが趣味だったので(7年間で11回)場所換えするたび住む場所の近くのレストランを紹介してもらったりしたのでかなりな数のレストランで働いた。 考えてみれば数々の仕事先で辞める時にイヤな思いをして辞めた所は少なかった。 ロス時代、一番お世話になったレストランはマイアミに来てからも最初の数年はオーナー夫婦が旅行に行く時は『飛行機のチケット送るから2週間手伝いに来て。』と呼び戻してくれるくらい可愛がってもらった。 数少ないイヤな辞め方をした所は2つ。 一つはフロアリング会社の秘書。小さい日本人経営の会社の社長の秘書で、社長はその前に働いていたカラオケ屋のオーナーの友達だった。 秘書と言っても雑用から給料計算から見積もりまで何でもやらされる。が、かえってオフィスにボーーーーっと一日中座ってるよりは楽しかった。大きいフロアリング会社の下請け的な会社だったので、このボス会社にも度々行ってはサンプルを見たり違いを聞いたり。で、それをとりあえず全部アタマに叩き込んでその足で見積もりに出かけお客さん(主に日本人)に、『このカーペットとこっちの違いはですね、素材が○○で密度が△△。業務用の場合ですと、今オフィスに置かれてるものや倉庫の荷物の重さから想定しますと、やはり□□ブランドの◎◎シリーズのこの位のものをお勧めします。』な~~んて若きボウボウに毛の生えた鉄の心臓でやりとりしたものだ。 即時見積もり3日で終了、のスピードを売りにしてたので、一種類しかフロアリング素材を使わない場合、その場で値段表を見ながら計算して大体の見積もりを出し、オフィスに戻り計算しなおしすぐに正確な金額を伝える。が、例えば何種類もの違う素材を使って模様を入れたりするばあいだと、切って貼りあわせるという場合もあり、そういう場合は計算の仕方もさ~~っぱり分からず、しかし分からないと言うのもいやなので、『では、一番いい値段を出させてもらいますので、同じクオリティの他のブランドや違う仕入先方面も全部調べさせていただきたいので一旦会社に持って帰り社長と検討してみます。』などハッタリかましてオフィスにすっとんで帰り、遊び人の社長が帰ってこれる場所にいる場合は呼んで計算してもらい、とても帰って来れない所でゴルフなんかをしてる時はゴルフ場にFAXして嫌がる社長に計算してもらったりした。 仕事は面白かったと思う。社長もほとんどオフィスに居なかったりするので、居る時は必ずランチをご馳走してくれる。まあまあ恵まれた職場だったんだが、この社長が曲者であった。当時リトル東京の飲み屋でこの社長を知らないものは無く、かなり飲み屋のお姉さんとの遊びが派手だったようだ。会社にもしょっちゅう違うお姉ちゃんから電話が掛かってきては『アンタ誰よ。』と逆ギレされ、飲み屋のツケを払うのも、お姉ちゃんの誕生日プレゼントを買うのも権造のお仕事。 そんなある日、ガックリ肩を落とす社長の姿が。『どうしたんですか?』と聞いてみると『いやぁ~こんな事ゴンちゃんに愚痴ってもしょうがないけどね、、』と話してくれた。 パターンにきっちりとはまってるんだが、本命のねーちゃんが居たのに別のねーちゃんについフラフラ行ってしまい、更にそのねーちゃん達の飲み屋はライバル店同士。非常に大きな騒ぎとなってしまい、本命のねえちゃんにぶん殴られて捨てられ、フラフラっと手を出したねーちゃんにも2度と来ないで!と言われ、遊び人のプライドがズタズタな状態らしい。。 あ~~~、あのキレイなお姉さんですか~~、勿体無いですねぇ、、と話を聞いていたら『ゴンちゃん、パーッと飲みに行くか!ランチはご馳走してるけど、そういえば夜は(同伴で)忙しいからご馳走した事なかったよな!』と社長は早速レストランを予約。 最初は断ったんだが、たまにはいいじゃないか!旨いもん食おうな!と言うので、あ、じゃ、ゴチになります、とお出かけする事に。 帰りは送ってあげるというのを、方向が違うからいいと断り、会社が終わった後そのままレストランに行った。さすがに小洒落たレストランで美味しいものをたらふくご馳走してもらって、その後会社まで戻ってもらう。いや~~お腹も一杯で幸せな気分。 『社長、どうもありがとうございました。美味しかったです。ご馳走様でした。』 と車を降りようとすると 『僕の車を降りるのにありがとうのキス無しで降りるのは、ゴンちゃんが初めてだな、、。』 なんだか口調まで別人である。 ハァ????そーーーーいう事だったんすか?今日のメシは? このセリフが出る瞬間までは、オトコモードよりも社長モード全開だった社長。 遊び人ってスゴイなぁ、、と変貌っぷりに驚きながらもさっさと退散したほうが、と思い 『いや、社長は会社の人間には手を出さない主義だと信じてました。』 『ゴンちゃんに逢うまではね、、。』←フラれたオンナはすでにすっ飛んでいる さっさと車を降りようとすると腕を引っ張られ、、、、、、。 権造はこういうのがキライだし面倒なのだ。なんで好きでも何でもない上司とわざわざ好き好んでややこしい関係になる必要があるんだ。悪いが酒は浴びるほど飲んだが、社長に負けるほど酒に弱くもない。かえって酔っ払ってるから逆上エネルギー満タンな気分だ。 カーーーっと来て噛み付いてやろうかと思ったが、ちょーーーーっと待って!!!と大声で威嚇し突き飛ばす。で、速攻鞄の財布からお金出して有り金全部放り出し 『ご馳走様は返上します。自分の分です。』 コレが、奢ってウキウキしてる年長の男にとってイヤなかえしであるくらいヒヨコの権造にだって想像は付く。 ドン引きしてしまいプライドまでヒヨコにキズつけられたヒヨコよりも2周りほど年長者の社長、そのまま無言で帰宅していった。 帰りの車中、一気にこの社長の所で働くのがイヤになってしまい、帰宅後とりあえず紹介してくれたカラオケ屋オーナーに一身上の都合により辞める事にしたと電話する。 『なんでっ?え?まさかゴンちゃんにまで手を出そうとした???』 一瞬答に詰まったのが答となり、あ~~~~あ~~~、アイツ節操なさすぎだよな、しょうがないな、そんな事なら明日やめちまえ、という事になり翌日。 いつもは昼前に出勤の社長。権造が鍵開けて入ったすぐにやってきた。 先に攻撃したほうが良さそうだと思い、すぐに辞めますと告げる。 『あ~~~、ゴメンな、ゴンちゃん。オレどうかしてたんだよ。辞めるなんて言うなよ。仕事楽しいって言ってたじゃないかよ。』 が、ヒヨコはもう疑心暗鬼の塊りである。いい人かもしれないが信用は出来ない。仕事は面白かったと思うが、やっぱもう働きたくない。大したレベルでも何でもないが一応今で言うセクハラである。それも他の従業員も少ない狭い会社で。 イヤ、やっぱり辞めます。とその場で荷物まとめて帰ったんだが。 辞める時にこれだけ後味悪く後の引継ぎなんかも放り出して『ケツまくって』やめるのはヒヨコながらに無責任だよな、と自分に対してもイヤな思いをしたものだ。 その後も狭いリトル東京で顔を合わせる機会は度々あったが、社長はすっかり忘れたかのように人懐っこくアレコレ話しかけてくる。カラオケ屋オーナーが面白がって言いふらしみんなが面白そうに見てる中、『ゴンちゃん~~。元気か?またメシでも行こうな!ご馳走するよ、いいトコ知ってるんだ!』と無邪気に誘ってくれるのには、大人だよな~すごいよな~、さすが遊び人だよな~~と感心したものだ。 時間と共にイヤな思い出もすっかり消え去り、やっぱりこの人いい人だよな~と思わせるのはさすがである。 ここまで書いて今更気付くと今日もまた長々日記。 もう1コ、美容業界に本格的に入って一番最初にアシスタントした我が家のすぐ近所の某サロンの話を書こうと思っていたのだが。。。 スペイン語で散々悪口陰口叩かれて、シャンプーで10ドルチップ貰った権造の事を『男性のお客さんにはやたらと触ったり体近づけたりしてチップを稼ごうとしてる。』と他のアシスタントからオーナーにガセネタ流されて、初日の終わりにブチ切れて帰ったんだが、あのサロンはひどかった。 ↑ 短く書こうと思えば出来るじゃないか、自分。。。 今日はサロンの月例ミーティングだったんだが、同じサロンでも今の職場はやっぱり幸せだよなぁとつくづく思った、と最後に書きたかったので書いておく。 あの社長、、、。 今じゃ60歳くらいなんだろうが、ドコで何してるんだろう。。。 元気に現役で女の子を追い回していてくれたらいいんだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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