44代大統領。
今日は午前11時半からオバマの就任式の放送が始まった。10時半からのお客さんは、前のオーナーおかまっちジムのお客さんだったアメリカ人で11時半からのテレビが見たいから早く早くと急いでカット。この人も民主党支持でずっと最初からオバマを押していたので嬉しそうだ。他のお客さん達もやはりこの話題で持ちきりでみんな時計をチラチラ見ながら時間を気にしていた。権造は今週はチャイニーズニューイヤー前で中国人のお客さんがどっさりとカットにやってくるので忙しい。気が付くと時間はすでに2時半。。。あ~~見逃しちゃったと思ったが念のためにラップトップを持参して行ったのでその後ランチを食べながら早速他の手の空いてるスタイリストとネットのニュースで演説を聞いた。就任演説なので詳しい政策なんかではなく国の長としてのこれからの抱負を語っていたが、相変わらず人々を鼓舞するスピーチであった。ブッシュの『国に対する貢献』を称えたが(やっぱコレは一応言わないとなぁ。。)『アメリカの偉大さを確認する上で、それは(神から)与えられたものではなく自分たちで獲得しなければならない』と言う辺りや、経済危機に関して『同じところに立ち止まり、わずかな利益を守り、イヤな決断を先送りにする時代は終わった』と言ったところ、『政府の規模が大きいか小さいかではなく、それが機能するかどうか』が大事だと言ったところなんかは皆で大きく頷きながら画面を見つめ、『国民の一人ひとりが、自分自身や自国と世界に対して責任があると認識するべき』というくだりでは拍手が起きた。一緒に見てた同僚の1人はまだ若い26歳。ジョージア州の片田舎出身でそれはそれは保守派の家に育ち、マイアミに引っ越してきて『鳥肌がたった』らしく、権造が初めてまともに付き合うようになったアジア人であり、耳にしたこともなかったスペイン語に揉まれながら、一度サロンを辞めて故郷に帰ると荷物まとめてた事もあったが今は頑張って暮らしている。もちろん共和党支持者で選挙もきちんと行っていたが、今どう思うかと聞いてみると『分かんない。けどアメリカ自体が大変な状況なのは分かるから、誰が大統領でも支持しないといけないのかもしれない。』と言っていた。権造と同い年の同僚(以前、妃殿下で日記に出場)は、歳取ってるだけアタマが硬く、ちらっと横目で覗いては『私はオバマは認めない。すぐに間違った選択をしたって事はみんな気付く。』と毒づいていた。権造の働くサロンだけでもすでにアメリカの縮図である。帰宅してからテレビつけっぱなしでニュースをずっと見ていたんだが、実際にワシントンの就任式会場に駆けつけ涙を流す人達。タイムズスクエアの大画面の前で抱き合って泣いている人達。病院のテレビで、オフィスで、ハーレムで、遠くアフリカで。画面で見る黒人の人達の感極まる表情を見ると、他の人種には決して分からないとてつもなく長い道のりだったんだろうとこちらまでもらい泣き。今からのオバマ政権の前途多難さを思うにあたり、この人の武器であるカリスマスピーチをフルに活用して国民の支持を長く保てるように頑張ってほしいと思う。山積みされた前大統領からの負のプレゼントはあまりにも多く、片付けるだけで任期が終わってしまうんじゃないかと思ったりするんだが、アメリカ国民のテンションだけ見ていても、選挙中と就任式の様子を見比べてみれば、すでに落ちてきている気がする。どんな場合でも人の心理と言うのはそういうもので、50メートル走を絶対1位でゴールすると心に決めて全力疾走し見事1位になった直後にヘタリと座り込んでしまうように、選挙中熱狂してオバマのTシャツを着たりオバマのバッジをつけたりしていた人達の中で『オバマを大統領にする事』自体を目標としていた人達は達成感と共に政治への興味を急速に失ってしまったりしてはないだろうか。大規模な公共事業も始めるといっていたがこの不況はまだまだ先が見えず、そんな中『なんだ、オバマになっても何も変わらない。』とがっかりしてすぐにぼやき始める人達が多く出てくるのではないかと心配になる。思い出さねばならないのは選挙中一貫して『Yes, I can』ではなく『Yes, we can』と言い続けた言葉であり、今日のスピーチの中の『we have duties to ourselves, our nation, and the world』という言葉であり、病んでいる国に『病んでいるから一緒に治療していこう』とはっきり告げたこの大統領は支持していかねばならない。『完璧なリーダー』なんて存在するはずもなく、要は国民のバックアップがあるのか、国民の事を考えて仕事が出来るブレーンが周りに居るのか、他の国を理解できる力があるのか、色んな要素を一つずつ満たしていけるかどうかで、リーダーとしての格は決まるんだろうが、素質はあるよな、と感じているのが国民の大半だと思う。もも造も今朝は朝のニュースを見て、今日大統領になるのか?と早速聞いてきた。学校でもかなりの時間を割いて話があったらしく、帰宅後も質問の嵐。チビレベルなので、ドコに住むのかとか、オバマの娘達はドコの学校に行くのだとかなんだが、持って返ってきたプリントの中にキング牧師のものがたくさんあった。そういえば、キング牧師の祝日(誕生日)と時を同じくしてオバマが大統領に就任するというのも、ものすごい符合だよな、と思う。日本との外交も少し様変わりするのかもしれない。日本も自国内で解決していかなければならないことが山積みであり、経済政策は各国協力して底上げしていかないといけない部分もあるだろうが、政治的な対外政策はお互い余裕のない中での協力体制と言うのはどのくらい出来上がっていくんだろうか。友好関係は変わらないとは思うんだが。麻生さんも、もっと頑張れよ~~~。イスラエルはオバマの就任にあわせ撤退すると言っているが、あのエリアでの争いは全く終わる気配も無く、核問題もそのままである。アメリカはイラクからは撤退するが今度はアフガニスタンに増派するらしい。。争いごとっていうものは無くなったりする事は無いんだろうが、ボロボロの大国の転機でこれからどうなって行くんだろう。アメリカに住んでかなりになるが、大統領はレーガンブッシュパパクリントンブッシュ息子と来て5人目か。今回ほど必死に経過を追ってるのは初めてなので今後も必死に追っていきたい。