変身する・・・・?その3
◆さて、その3です カバンをなぜ買うか・・・と言うと Nのカバンはかなり古い名も無きデイバック 中身は何かというと、全財産が入ったチャック式の汚い財布 四十数年にわたりため込んできた物がそこにあるらしい。あくまであるらしい 小銭入れはデニム地のイラストの入った小学生のお財布みたいなやつ。 とても50近いおっさんの持ち物ではない。 でっ、 づかごん:「Nっ、そのデイバックは中身は何や?」 N :「財布が入っております・・・えへへへへっ」 づかごん:「バックインバックで財布かぁ」 「それならそのこ汚いバックも捨てろ」 「で、こういうのがいいんや」 と、づかごんが示したのは最近若者が背中にしょっているバック。 づかごんも時々背中にしょってる(袈裟懸けにかけるというか・・・。)んだけど Nにしてみれば世の中の流行などまったく興味がなくて ちょっとしょってみますといってカバンを試してみるのですが、 どうしてもショルダーバックのように腰の横にしてしまう(中学生かぁお前は) 背中にしょうというのが解らない。 それでもそれがいくらか気に入ったようでご購入。 ついでにデニムの小銭入れも「捨てろ!」の一言で、コインケースを購入。 皮のコインケースで四角く口が開くやつですわ まぁづかごんの小銭入れを見て N :「これいいですねぇ。えへへへへ」 と、愛想笑い。 次に、靴やへ。 づかごん:「Nその薄汚れた運動靴(あえてこう呼びたい)も捨てろ!」 「できればカジュアルな皮の靴にしろ。」 「スニーカーでもいいが、会社用なら白じゃない方がいいなぁ」 N :「そうですね。この黒い皮の靴がいいですね。」 と言って、薄汚れた運動靴を脱いで革靴に足を入れます。 奴がもしこの革靴を買わなかったら、奴の残り香(想像したくないが)がする靴が、 ずっとここに残るのか・・・・などということを少し気にしながら、靴を勧めます。 結局その黒いカジュアルな革靴を購入しました。 残り香の不安は払拭されました(笑) --------------------------------- さて、買い物はもうこのくらいでいいだろう。 総額数十万になるかと思ったら、7万円弱で済んだみたいです。 時間ももう9時近い。 づかごん:「N、もう9時ちかくなったなぁ。飯でも喰いに行こうか」 N :「今日は結構です。」 「母から健康のために外食は少なくしろと言われているんで、ご飯炊いてきました。」 一瞬返事に我が耳をうたがいました 大学の先輩の言葉は親の言葉よりも優先する。我が大学のモットーとするところ。 それを事も無げに断るこの後輩は何者 づかごん:「夕方から今まで飯も喰わんで、お前に付き合ったんやないか」 「誰もご馳走しろと言うとらんわ」 Nの心配事はそこだったようです。 N :「す、すいません。そんなつもりではありませんでした。」 「い、行きましょう。わ、わ、私がご馳走しますけん。」 づかごん:「いらんわ!」 N :「申し訳ございません。」ウルトラマンのスペシウム光線発射のように手を組み 必死に言い訳をするN。 でもNの凄いところは、づかごんが怒っているとみると適当に話をはぐらかし、 結局その後、ご飯のごの字も言わない。 こちらもいらんと言った手前もう言い出せないし・・・ しようがないので、Nに話しかけるづかごん。 づかごん:「N、お前の兄ちゃんはどこにおるんや?」 N :「はい。兄はですね、N大(我が国の名前の)を出まして、東京都○○区役所につ とめております。」 「ちなみに弟はS大(福岡のシティーボーイが行く西の方の大学)を出まして、 S市役所に勤めております。」 「ですから、私が一番ぼんくらな大学を出ておりまして・・・・。」 まったく気づいていない。こいつは・・・・。 づかごん:「へぇ~。で、そのぼんくらな大学の先輩は 誰だっけ?」 N :「も、も、申し訳ありません」 「そ、そんなつもりでは無くて・・・」 づかごん:「うるさいわい」 「飯行こうっちゃ断る。先輩に向かってぼんくら大学たぁ何やっ」 だまるN。 結局そのままNを載せた車は、Nのアパートまで帰って来ました。 最後までこいつは「食事に行きましょう。」のセリフもなく、 N :「失礼しま~す」 沢山の荷物を抱えて、引きつったスマイルを残し、アパートの部屋へと消えていきました。 --------------------------------- 自宅に戻ったづかごんは、一人怒りの酒を煽ったのでありました