展覧会 『吉村作治の早大エジプト発掘40年展』
2008年2月19日~2008年3月23日北海道立近代美術館以降の予定2008年4月12日~6月15日 熊本県立美術館2008年6月28日~8月31日 東京古代オリエント博物館早稲田大学古代エジプト調査隊の活動40年を記念して、これまで発掘した250点の展示。1966年から開始された調査。ルクソール西岸の「マルカタ南・魚の丘遺跡」「クルナ村貴族墓」「王家の谷・西谷遺跡」、カイロ南郊の「アブ・シール南遺跡」「ダハシュール北遺跡」、ギザのピラミッド地区と、発掘場所ごとにまとめて、発掘の成果、歴史を展示。☆主な展示物 - 見どころ↑行政官セヌウのマスク/中王国時代第13王朝2005年1月、ダハシュール北遺跡で発見された、約3800年前のミイラ。未盗掘で完全な形のものとして最古級の事例。世界初公開。↑セヌウの木棺/中王国時代第13王朝セヌウが収められていた木製の棺。死後ミイラが外を覗けるようにウジャトの眼や、被葬者の「セヌウ」、称号「司令官」と木棺に碑文が記されている。↑ツタンカーメン王の指輪とアンケセナーメン王妃の指輪/新王国時代第18王朝ツタンカーメンの即位名「ネブケペルウラー」、その即位後王妃アンケセナーメンが改名し「アンクエスエンアメン」と刻まれたファイナンス製の指輪。☆感想展示を見終わり、関連グッズの販売所で、吉村作治教授の直筆サイン入り展の公式プログラムを買いました!!!本当はご本人にお会いできるのが、うれしいですが・・・数に限りがあるので、まだあるとは思いますが、お急ぎください!セヌウのマスクが一番の呼び物だと思いますが、確かに色彩も鮮やかで、展示の説明を読んでいると、マスクの眼にみも充血している様子が描かれているとあったので、眼をじっくり見ました。ミイラのマスクって何故あんなにも何かを語りかけるような表情、眼をしているのかとマスクを見るたび思います。今回も充血した眼を見て、セヌウの行政への熱意や仕事ぶりを想像してしまいました。とにかく蒼い色彩が鮮やか。しばらく真正面から離れ難くなります。そして、ツタンカーメンの指輪。ツタンカーメンについては、黄金のマスク、王墓としてほとんど盗掘されていない状態で発見されたこと、アメン神信仰、そして若くして死したこと自体がミステリーとされていますが、これを発見したイギリス人考古学者ハワード・カーターとその支援者であったカーナボン卿!!!吉村作治教授も子供の頃初めてエジプトに触れたのが、カーターの発掘についての本であったそうで、入り口すぐの所にその本が展示されていました。私は、月並みですがラムセス2世やクレオパトラ、ピラミッドからエジプトに引き込まれていきました。その後に読んだカーターの発掘の本を読んで、発掘への情熱、今まで知らなかった考古学という学問に立ちはだかるエジプトとイギリスの国間の事情等、困難を経ての発掘・発見・・・驚いたというか、それこそ眼が充血するくらいに読みましたね。展示物に話は戻りますが、その時代のコインを見るのも好きですが、ステラやレリーフを見るのも好きです。マスクや像ほど派手ではありませんが、その前に立つとその描かれているものが今にも動きそうな・・・想像をしてしまうのが好きです。中には、横に虫眼鏡があり、それを通して見なければいけない極小の展示物もありましたし、幼少のクフ王が足元で指をくわえているライオン女神像、様々な土器、装飾品・・・とにかく書ききれないのですが、興味深かったです。それから写真は残念ながらないのですが、「太陽の船」です。ギザにあるクフ王ピラミッドに副葬された世界最古の大型木造船。2隻のうち1隻は1954年に発見されていますが、もう1隻は未だ眠ったまま。現在このもう1隻「第2の船」の発掘権を1992年より取得して本格的に調査しているそうです。カーターの発掘について読んだことのある方は、どのくらいの莫大な費用・年月がかかるかご存知だと思いますが、展示の出口には、この「第2の船」の研究・調査・発掘のための募金を行っています。自分が生きている間に見られると良いなという願いを込めて微力ながら協力しました。是非惹かれるものがありましたら、協力お願いします!最後に、早大エジプト調査隊は、多くの出土品が外国の調査隊の発掘の見返りとして、エジプト国外へ流出していく方法と決別し、出土品をなるべくエジプト国内で保存・研究することに努めているそうです。この保存・研究の努力に敬意を払いたいと思います。長くなりましたが、札幌は3月下旬まで、その後熊本、東京でも開催されますので、是非1度足を運んでエジプト4000年の歴史に触れてみてください。カーターの発掘の物語