「神様からひと言」
題名:「神様からひと言」著者:荻原浩発行:光文社文庫頁数:449読みやすさ:4/5おすすめ度:3/5 「書店員さんが大絶賛」という帯広告につられて、つい買ってしまいました。 劇画タッチの”痛快逆転ストーリー”が理屈なく楽しめる娯楽長編です。 主な舞台は小さな会社の「お客様相談室」で、話題になった川田茂雄さんの「社長を出せ!」シリーズで展開されるようなシーンがいくつもあり、企業の無責任体質を問う側面もあって、サラリーマンにとってもドキッとする内容です。 企業体質といえば、旧態依然とした無責任幹部の悪を暴いて、最後は主人公がドタバタ劇のヒーローになっていく、という点で前に読んだ「牛乳アンタッチャブル」と通ずるところがありました。その辺がとても劇画調で映像としてくっきりと思い浮かべることができるので、スムーズに読み進めることができました。 そういったハチャメチャな展開の底に、主人公の屈折した恋愛モードが流れていて、ストーリーが引き締まって上手にまとめられている感じがします。 しかし、どこでもクレーマーに対する部署って大変みたいですね。いろんな人がいますから...