玄関前で危うく!! 寒かった~
午後3時、子供たちが学校から帰ってきました。チャトくんは、ランドセルとジャンパーを玄関に置くと、「ぼく、もう少しでナワトビの二重とびができそうなんだよ! ママ見てて!!」 と、玄関先でナワトビの練習を始めました。私も 「いいよ」 と、気軽に答え、ジャンパーをはおり、サンダルをつっかけて外へ。ぶーくんにも、「ナワトビ一緒にしようよ」 と声をかけたけれど、ナワトビが苦手なぶーくんは 「ぼくはいい」 と、不機嫌そうな顔で1人で家の中へ入ってしまいました。ドアを閉め、その上、カチャン、カチャン、と中からカギをいじる音。この時は、(ナワトビができなくてくやしいから、ふざけて、閉めたフリをしたのね) くらいに軽く考えていました。玄関先で、一生懸命ナワトビの練習をするチャトくん。10分たっても、二重とびはなかなか成功しません。この時の気温は、約1度。日が陰って風も出てきたので、じっとしている私は、だんだん寒くなってきました。特に頭が寒~い。そこで、「ちょっと、帽子をかぶってくるね」 と、玄関を開けようとしました。でも、開かない。!! さっきのは本当にカギを閉める音だったのか!でも、ベルを鳴らせば開けてくれるはず……そこで、ピンポン、ピンポン、とベルを鳴らしたけれど、反応なし。ドンドンドン、とドアをたたいても、ダメ。リビングに回って、ガラス戸をドンドン。「ふざけないで、開けなさ~い」 と、どなってもダメ。いくらなんでも、これだけ音をたてれば、ぶーくんにも聞こえるはず。リビングにはいないようです。ふと気がつくと、2階のほうから、ご機嫌な歌声と、バンッバンッとプラレールの線路を組み立てる音。カーテンのすきまから、ぶーくんの動いている影が見えます。どうやら2階でプラレール遊びを始めてしまったようです。そうか。だから聞こえなかったのね。ドアを閉めて、大声で歌を歌っていれば、ただでさえ聞こえにくいぶーくんの耳には、玄関のベルの音も聞こえないでしょう。 ………と、いうことはっ……!!!私たち、家に入れないってこと?!気温はどんどん下がって、たぶん氷点下。風もふいているから、体感気温はもっと下です。家のカギはもちろん、車のカギも、携帯も家の中。チャトくんは、ジャンパーさえ着ていない。カギを持ったパパが帰ってくるまで、あと3時間以上。寒さを逃れるにも、スーパーもコンビニも、はるかかなた。いや、ぶーくんにだまって、1人だけ置いていくわけにはいかないし。お隣さんに電話をかりて……いやいや、電話の音も、今のぶーくんには聞こえないだろうし。なんて、もろもろの事が一気に頭に浮かんで、10秒くらい途方にくれてしまいました。『玄関前で遭難』 なんてテロップが一瞬頭に浮かんだりして。となりでチャトくんは 「どーしよー!! 僕たち寒くて死んじゃうよ~!!」 と泣いています。いやいや、大丈夫!こんな時は、2階の窓に何かを投げればいいんだよ。スリッパを投げ、庭にあったオモチャを投げ、小石を投げ……ぶーくんは、10回目くらいにようやく気づいてくれました。「あれ~? 何だ~?」 とカーテンを開けたところに、すかさず『玄関!!』 と指さすと、「え? ああ、そーだった!」 と、ドアを開けに走ってくれました。ドアを開けながら、「ぼく、カギを閉めたこと、すっかり忘れてたよ。ごめんごめん」 だそうです。やれやれ。外にいたのはたぶん30分ほどでしたが、本当に寒かった。あと1時間遅い時刻だったら、やれやれで済まなかったかもしれません。