先生の離任式にて
1年生の時の担任の先生が、他の小学校へ転任されました。その先生の離任式でのこと。私も挨拶をしに学校へ行って、体育館の後ろの方の保護者席で、離任式を見学していました。並んだ子供たちの後ろ姿がよく見えます。一年生の列の一番うしろはぶーくん。その前がチャトくん。子供たち、朝家を出るときには、全然普通にニコニコ顔で登校して行きました。大好きな先生とお別れするってこと、分かってないのかしら?と思ったくらい。ところが、先生が壇上であいさつを始めると、さすがに悲しい気持ちになったようです。ぶーくんは、メガネを持ち上げて、服の袖でしきりに涙をふいています。(ハンカチを持たせるのを忘れたました!)しまいに、メガネをはずして、目と鼻を盛大にゴシゴシ。でも、チャトくんは全然動かない。泣いてない。体育館から出てきた顔を見ても、ニコニコ顔のまま。だから、チャトくんはあんまり悲しくないのかな?って思っていたんです。でも、それから3日くらいして、家で遊んでいた時のこと。なんだかチャトくんが静かだな、と思って顔を見たら、涙でグシャグシャ。顔も真っ赤。唐突に思い出して、こらえきれなくなっちゃったらしいです。「ぼくね、ぼく、男の子は泣いちゃいけないんだって思って、学校でもうちでも、ずーっとガマンしてたの」「でもね、何だか思い出して、こらえきれなくなっちゃったの」ずーっと、ずーっと、ガマンしてたんですって。男の子は泣いちゃいけないって、ずっと前に誰かに言われたんだとか。それで、痛い時も悲しい時も、泣いたらいけないんだって、いつもガマンしているんだそうです。「悲しい時には泣いていいんだよ。泣くのをガマンしてると、もっともっと悲しくなるよ」「悲しい時にも、痛い時にも、いっぱい泣いてね」と何度も言ってきかせたけれど、この思いこみ、なかなか消えそうにないです。言われたことを守ろうとするのは偉いけれど、ガマンしてるとつらいだろうなぁ