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少しずつですが、第140回直木賞ノミネート作品を読み進めています。
カラスの親指 道尾秀介 【内容情報】(「BOOK」データベースより) “詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。 ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。 やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。 失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。 ふとしたことを切っ掛けにヤミ金融と係わりをもった過去を持つ詐欺師、武沢竹夫タケさんと タケさんのアパートの鍵を自分で壊しておいて、その錠の交換を仕事として請け負うという詐欺を、 働こうとした入川鉄巳テツさん。 これをタケさんが見破り、テツさんの境遇を聞いて、仲間となり一緒に暮らし出す。 元々のタケさんは真面目な営業マンだったのに、友達の保証人となり借金をかぶり、 返済しきれなくなった時にヤミ金業者の回収を手伝うことに。 非情な回収を繰り返すうちに、母子家庭の母親を自殺に追い込んでしまった。 今まで自分のしてきたことの間違いを悔い、組織の書類を盗んで警察に渡したことで組織は壊滅に追い込まれた。 そして…組織からの恐ろしい復讐で娘を失う。 「これで終りじゃないよ」悲しみに暮れるタケさんにの携帯電話に、 聞き憶えのない男の声で電話がかかる。 別人の戸籍を買い、正直者がバカを見る世の中を、別の人間として生きることに決め詐欺師となった。 タケさんとテツさん、そこに まひろ と やひろ の父は行方不明で、母は他界している姉妹が加わり、 さらにやひろの恋人、マジシャンの石屋貫太郎も加わってヤミ金組織の残党に対して立ち向かう。 物語がスピーディーなテンポで進んでいくので、「んん?」と思う部分もあるのに どんどん読み進めてしまいました。 詐欺師らしい知恵を振り絞って組織を追いつめていく後半は止まらない勢いで一気い結末まで読み進めたくなります。 これで決着付いたんだと思ったところは終わりではなく、そこからまた更にどんでん返し。 それはもう大きすぎるどんでん返しでした。 「んん?」と思った部分は伏線で、それもたっぷりと張り巡らされていて、 すっかりはめられていました。(笑 はめられたんだけど、このコンゲームの真の理由にグッと来た後だっただけに スッキリした読後感でエンターテイメントに徹した作品としてとても満足しました。 この作家の他の作品も伏線たっぷり、どんでん返し系だということなんで読んでみたいです。 ラットマン 『2009年版このミステリーがすごい』にカラスの親指と一緒にランクインした作品。 背の眼(上) 背の眼(下) 2004年、第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。 シャドウ 2007年、第7回本格ミステリ大賞を受賞。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月01日 23時21分22秒
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