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里見八犬士☆犬坂毛野の夢

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2005.08.11
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カテゴリ:猫と生きる
僕は子供の頃いつも喧嘩ばかりしていた。生傷の絶えない男の子だった。そう、昔を振り返って、今でも僕は間違っていなかったと思う。無論子供は大人の奴隷ではないし、弱いもの苛めは男にあるまじき行為だから。徹底的にどちらかが勝負がつくまでやりあった。だから僕は、他人に干渉しすぎると、時に痛い目に遭うと初めて知った。

でも矢張りひとは孤独な存在だ。どんなに学校や街で仲良くできても、明日の朝迄はまた孤独な存在だ。だから皆当然寂しいと思う。然し独りが寂しいと思うのは、人間だけかも知れないと僕は思った。あの日、あの猫を拾う迄は。

ひととぶつかってばかりいて心身共に疲れ果てていた若き日のある日、僕は一匹の三毛猫の雌の赤ん坊を拾った。そう、僕はとても寂しかったから。血が繋がっていても、挨拶すらしない、シカトを決め込む連中。そんな中で育ったから僕はどうしても心の拠り所が欲しかった。だから僕は、高等動物の人間から受けた傷を、この身寄りの無い子猫を育てる事で癒そうとした。だからベッドで一緒に寝て、風呂にまで一緒に入った。

僕は初めて思った。きっと人間の汚さは我が子を育てる事で洗い流すのだろうと。また僕が尊敬するキング牧師やマザー・テレサのように、弱い立場にいる側に命をかける事で、ひとはより崇高な存在に成れるという事を。この家族の愛を知らない少年は、まるで己の分身の様な野良猫を我が子の如く育てる事で心から思った。でも親戚付き合いを偽善と思い、まるで宗教とは無縁な環境に生き、大人の言葉は信じるつもりもない少年は、猫を愛する事だけがこの少年の人格を大いに高めた。そう、己と同じ“悲しい目”をしているこの猫を。

僕も猫を飼う迄は、猫って我侭で人間に媚びないクールさを持つ、人間とは相容れない動物だと思っていた。然しあの日から何百日か経ったある日の夜、僕がピアノの練習を兼ねた録音に集中するためにドアを閉めると、ドアを爪でカリカリやって部屋に入ろうとした。当然、僕の部屋以外は真っ暗だから寂しいと思ったのだろう。最初は僕も無視した。そう、本番を想定する練習での中断はあってはならないから。でもそれが余りにもずっと続くから仕方なく中断してドアを開けてやった。そしてまた練習を再開したら、何と僕のピアノの曲を聴きながら眠ってしまった。その時僕は、猫も寂しく思うんだなあと思うと同時に、ひとが一生懸命する事を邪魔しないサッパリした賢い動物なんだなあと痛感した。そう、今迄周りの多くの人間が僕のやる事にケチをつけ、そして過度の干渉によって孤独だけで滅入っている僕を更に雁字搦めにした。だから僕は、最小限の「部屋に入りたいよ」っていう要求以外に何も求めないこの猫に大いに感動し、この猫への愛おしさはさらに増した。

「誰も、僕に、そのように、接してくれなかった」から。

嗚呼、ひとりが寂しいと思うのは僕だけじゃなかったんだ。
この少年は、ピアノの練習を中断して、思わず猫を抱きしめた。

初めて出合った、僕の分身に。
また、八犬伝の犬坂毛野って、
こんな感じの孤独と優しさをかかえてるのかなあと、
文学少年を気取っていた僕は、心からそう思った。

それでも矢張り猫は猫だった。猫がおなかすいている時と寂しい時、また遊んで欲しい時以外は、飽く迄もこの猫は「わが道」を行った。そう、過干渉が嫌いだと思った。するのも、そして、されるのも。またこれが猫の幸せに生きる道だと知った。

人間は時に我侭に成る。そう、恋愛時代は相手に優しく出来、許せたのに、距離がどんどん近づき一緒に暮らし出すと途端に猫が呆れる程の我侭に成る。だから僕があの日好きな人と「一つ屋根の下」で暮らし始めた時、途端に両者から我侭が溢れ出した事を思えば、人間って猫以下の我侭さを持つと思う。それが、疲れている時、また己の希望が通らない時、更に勢いは増す。

未だ僕等には相手を許すだけの器、そして相手を許す優しさも無かった。でも猫的なメンタリティの僕には、結婚とか家庭生活とか、総てを曝け出し、また相手の総てを受け止めなければ成らないのは到底向かないと思った。

嗚呼、僕はもう我侭は言い合いたくない。だから僕は、猫のように、相手への距離感を一定に保とうと考えた。また近くに寄りすぎると、ひとは欠点を一杯見てしまう。そして、相手への理想にズレを感じ、そして相手に怒り、些細な事でも干渉し更に相手を己に従わせようとする。“自分だけのもの”にしようとする。でも、男でも女でも、また猫でも、誰も、“誰か”を支配したり行動を制約したり、己だけの存在として束縛出来ない筈。それ故、僕は今、相手の“縄張り”の存在を認め、サッパリとした“大人の交際”を求める猫の様に生きたい、また、そういう“大人の恋愛”だけをすると心からそう決意する。

未だ僕の横には、僕の親友が、心の支えに成った猫が眠っている。
無論僕がピアノを弾こうがPCを触ろうが読書しようがお構いなし。

でも、この猫は、僕が寂しい時、辛くて涙を零しそうに成る時、
僕の足をぺろっと、舐めてくれるんだ。

「そんな事で、泣くんじゃないよ」っていう想いを込めた優しい目をして。

嗚呼、優しさなんて、僕にはこれだけで十分なんだ。

寂しい時、辛くて涙が零れそうな時、
猫がぺろって舐めてくれる事。

そして、“大人の距離”で、
ひとが温かい言葉を、僕に心からかけてくれる事......。

僕はこれからもこの猫を、己の分身と想って大事にしよう。
そう、同じ「天涯孤独」という傷を舐め合いながら.......。


 
僕は野良猫をはじめとする動物への虐待に強く抗議します







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最終更新日  2005.08.11 07:50:47
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