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カテゴリ:慟哭
この国のために露と消えたのか
主の名を唱え昇天したキリシタンは 歪んだ為政者の創った 血も涙も無い 階級差別国家を去り 天に昇る時 見えた未来 国家の繁栄を喜べただろうか 欲望と不平等の巣窟の社会に 絶望しただろうか 何度裁かれても足りない筈の幕府 徳川の極悪代官に命を差し出した殉教者 そして主の名を叫び拷問に耐え 命を落とした 刑場の露と消えた 無抵抗のキリシタンは..... 無差別殺戮の島原の乱 あの旗の下に集まった民衆の慟哭 同じ主の名を唱える僕には聴こえて来るんだ LOVVADO SEIA O SANCTISSIMO SACRAMENTO ~いとも尊き 聖体の秘蹟 褒め尊まれ給え~ 何を想って戦ったのか 原城の美少年天草四郎は この国の闇の歴史 同胞への罪 極悪非道の人間狩りの中 彼の夢は何色だったのだろう あの旗が血の色に染まる夢か それとも16歳の思春期の 淡い恋心に酔い痴れる夢だったのか..... 今宵Merry Christmasがこの国の大地に木霊する 飽食の街で欲望に塗れ 物と金のシャワーで もっと欲望を求め 更に飽食に成るんだ 食べるものも無い家庭があり 痩せる為に金を使う家庭がある この悪魔的格差を作ったのは誰だ 高額医療費が払える者だけが生き残るシステム この無慈悲なゲームを僕は 聖なる日 渾身の力で憎む このシステムを疑問に想えなくする力 徳川の人間狩りを疑問に想えなくする力 同じなんだ この闇の力を生み出す光は “人の心を麻痺させる光” 暗黒の色が偽装した紛い物の光 更に降り注ぐだろう 僕が育った 最悪の街にも..... いつの時代も 変わりはしないさ あの日 原城での人間狩り 理性が麻痺した幕府軍の殺戮者にも あの紛い物の光 一杯降り注いだ筈さ 僕はこの聖なる夜 この国に沁みこんだ 聖なる血を想う 人間狩りが裁かれなかった慟哭 極悪非道の法度によって殺された キリシタンの叫び 天空に木霊している筈さ..... そしてこの無慈悲なシステムの中殉教した人々 今苦しみ喘いでいる人々が 主の栄光の光の中 永遠に生きられる事を 僕は主に祈る 主よ この国の孤独な魂を救い給え 主よ この国の不平等を消し去り給え 暗闇の思念の渦巻く 欲望の街から 傷ついた魂を 救い給え 聖なる夜に 僕は祈る あの紛い物の光の中 天から主の光が降り注がれ この地の暗闇が 一瞬の内に 消滅するように..... Have a Merry Christmas ! Good night. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.24 20:13:11
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