国宝阿修羅展
長い長い列を目にしているので、夕方5時半に出かけた。平成館の入口で10分待ち。今年の年パスの使い始めとなった。2010年5月2日まで。今回は見逃さなよう、もらった年間案内の見たいものをチェックし、MYカレンダーに入力しておこう。阿修羅も素晴らしいが、八部衆のそれぞれがまだかわいらしさの残る少年の顔を持っている。頭にライオンを被った「けんだっぱ」、ゾウを被った「ごぶじょう」、ヘビが巻きついた「さから」、雄鶏のお面をつけているような「かるら」どれもとても良い表情をしている。お顔だけ見れば、現代でも歩いていそうな気がする若者。ドナテッロの「ダヴイデ」像にも共通するような、顎は小さいものの、耳の下から顎までのカーブはとても似ていて、当時の固いものを食べる食生活を想像してしまう。噛むための筋肉と骨が現代人よりも立派に思える。彩色が生きていれば、また異なった感じで受け止めたと思う。色彩が除かれて、立体造形の素晴らしさが見えてきたのかもしれない。時代を経て、ここにあるのは、守ろうとした人々の陰の努力があったからこそ。たぶん阿修羅御一行の到着をお待ちしていた博物館のみなさんのうれしそうな姿を、たまたま春の夕方にお見かけして、こちらも心弾んだことを思い出した。