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カテゴリ:瑞典生活
レグ
「レグ」。ここに住んでいて、この言葉を聞かない日はほぼない、といってもいいほどです。スウェーデンで生活する上で、不可欠なものが二つ、一つ目がPersonnummer(パションヌンメル)、二つ目がlegitimation(レギティマフ(ショ)ーン)、略してleg(レグ)です。 これらはどのようなものかというと… 1)Personnummer(パションヌンメル):パーソナルナンバー ここスウェーデンでは、国民であれば出生と同時に自分のパーソナルナンバーが国税庁により決められます。これは自分の背番号のようなものなので、この番号を入力することでその人の背景が全てチェックできる、というシステムになっています。 外国人も1年以上の滞在許可が下りている場合には、住民登録をすることでこのパーソナルナンバーをもらうことができます。この番号があればさまざまな社会保障を受けることが可能になります。 ちなみに、以前の滞在時はビザの許可が一年未満だったため、自分で海外旅行保険に加入する必要がありました。 2)Legitimation(レギティマフ(ショ)ーン):身分証明書(IDカード) 1)のパーソナルナンバーを取得後、このIDカードを作ることができます。日本では運転免許証、保険証等が身分証明書となりますが、スウェーデンでは運転免許証か銀行で作成できるIDカードが身分証明書となります。 日本人にはまず1)のようなパーソナルナンバーはありませんし、2)の身分証明書も毎日誰かに見せる機会はありません。でもここスウェーデンでは、何かにつけて両者が必要となります。特に2)のレグはお酒屋さんやスーパーで酒、タバコ類の買い物をするときにも、郵便局で荷物を受け取るときにも、必ず必要です。 このレグを作る際以前は銀行であればどこでも作成できたようなのですが、規則がころころと変わるスウェーデン、最近規則が変わり、銀行によっては作成できない機関もあります。IDカードなしでは本当に生活しづらいスウェーデン。困っている方もおられると聞いたので、ご参考までに、私のケースをお話ししたいと思います。 IDカード作成時の必要書類はパスポート、写真一枚、住民票(Pesonbevis:パションベヴィース。これは税務署でもらうことができます。)+既に発行されたIDカードを持っている人が保証人として同行する必要があります。 私の場合、取りあえず問い合わせを、と思い、一人で銀行を訪ねました。 SEBという銀行に出向いたところ、預金口座をまず開設し、開設半年後(この期間を経て銀行との信頼関係を証明できる、と捉えるそうです)初めてレグを作成できる、という説明を受けたのでした。 先日パスポートがレグと認められず(以前はOKだったのに)手続きに手間取った私としては、今すぐにでもレグがほしい!という状況だったので、優しく対応してくれていた担当者に粘って交渉したのですが(スウェーデンの場合、担当者によって随分対応が変わるのです)… やはり「規則だから」ということでだめでした。 ただ、この行員さんはとても親切で、「警察だったらできるはずよ」とその場で電話をさせてくれました。が、ここでも「スウェーデン国民にしか発行しない」と跳ね飛ばされます。はぁっと打ちひしがれた私を見かねたのか、最後に、彼女は「この銀行では今すぐにはIDカードの発行はできないけど、ほかの銀行の規則がどうなっているかはわからない」と言ってくれました。 一縷の望みを得た私は、別のSwedbankという銀行に向かいました。ここで、SEBでの出来事はなかったかのように、必要書類を見せながら「IDカードが作りたいんですけど」と尋ねたところ、担当者は「最近規則が変わったのよね。ちょっとマニュアルを見るから待って。」との返答。内心冷や冷やしながら待っていると、少ししてから「OK」との返事が返ってきました。「やったー」と私は心の中で叫びつつ帰途に着いたのでした。 ちなみにこのSwedbankの場合はIDカードを作成後預金口座開設が可能となります。 スウェーデンにはまだ何社か銀行がありますが、私はこの二つの銀行以外の状況は知りません。はじめからSwedbankに行っていればあっさりと手続きを踏めたのかもしれませんが、SEBの行員さんの丁寧な対応には感謝しています。 今手元にはこのレグがあります。今日も郵便局でこれを見せてきましたが、今後もこのレグが日々活躍してくれることは間違いなし。 外国にいると、日本では考えも及ばないことでトラブルに見舞われますが、鍛えらる日々です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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