薬師寺の夕景
このところ、毎年のように『正倉院展』を観に奈良にやって来ていまして、今年で三回連続になります。何度観に来ても、正倉院の宝物たちには本当に驚かされ、また感動させられるばかりで、毎回見逃したくない一心にこの時期になると、ついつい足が奈良に向いてしまいます。『正倉院展』も今回で60回目になるそうです。その記念ためか、結構有名な宝物たちが何点か陳列されていたからか、さらに混雑しているようでした。そしてそのついでですが、今回も近くのお寺などに足を伸ばしてみました。午前中に『正倉院展』を鑑賞したあと、午後から「薬師寺」に行きました。「薬師寺」には何度も来ているのですが、ここでは毎回写経をすることにしています。写経道場なるものがここにはあり、誰でも気軽に写経をすることができます。写経代を収めると、一緒に参拝券もいただけるので、写経をした後、嬉しいことに伽藍の拝観をすることができます。約一時間ほどの写経を終えて伽藍へ足を運んでみると、空はもう赤く染まり始めていました。言わずと知れた「東塔」です。創建当時の姿をとどめているという古い塔です。前回訪れた時はまだ建設中でしたが、「講堂」が立派に完成していました。薬師寺の中では、一番真新しい建物です。屋根のしびもまだ光り輝いています。「金堂」は、まだ多くの参拝者でにぎわっていました。こちらには、国宝の薬師如来、日光菩薩、月光菩薩がおられます。日光、月光菩薩さまには、この前「東京国立博物館」の『薬師寺展』で御目にかかりましたが、無事ご帰宅されてまたここでお会いできたのは、とても嬉しいかぎりです。夕空に浮かぶ「西塔」のシルエット。時刻も午後五時が迫ってきました。まもなく閉門の時間です。少し名残惜しいのですが、今日の宿に向かうことにしました。