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野の花も日々あれこれ考える

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2006年11月09日
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カテゴリ:暮らしのあれこれ
二軒茶屋餅

三重県はお餅文化が根付いている地域である。
伊勢のお餅といえば「赤福」が全国的に有名だが、その他にも各地にたくさんの歴史あるお餅が今も人気を誇っている。
全国各地からお伊勢参りにやってくる人々の軽い食事=ファストフードとして食べられたものが多い。

画像は二軒茶屋餅。
二見から伊勢方面に車で10分ほどの場所に、二軒茶屋という場所がある。

昔々、弥次さん喜多さんが旅をした時代。
関東からの参宮は伊勢街道を、関西からは伊勢本街道を、たくさんの人々が歩いて伊勢神宮を目指した。
しかし志摩、尾張、三河、駿河方面からの参宮は船での参拝だった。
二軒茶屋餅の包装紙には、「どんどこ丸 二軒茶屋餅 角屋」と書かれた帆をあげて、旅装束の人々を乗せた船の絵が描かれている。
船は河口の大湊を経て勢田川水系に入ると、賑やかに太鼓や鉦をどんどこどんどこと打ち鳴らした。
それで、船での参宮者たちは陸路の人たちとは区別して「船道者」とか「どんどこさん」とか呼ばれたらしい。

18世紀にはすでに成立していたこの船着場には、餅の「角屋」と、うどん(おそらく伊勢うどん。この伊勢うどんについては改めて書きたいと思っている)と寿司の「湊屋」の、二軒の茶屋があったので二軒茶屋と呼ばれた。
(今は湊屋はなく、この二軒茶屋餅の角屋の経営する地ビールレストランが向かいに建っている。)

明治5年には、明治天皇が西国ご巡幸の折にこの二軒茶屋から上陸されて神宮を参拝されたという話を聞いたことがある。
かの西郷さんも、その時お付きとして同行されたとか。

さて、二軒茶屋餅。
薄い求肥の皮にあっさりとしたこしあんをつつんであり、香ばしいきなこがうすくまぶしてある。
一人で3個くらいはぺろりといける。
竹の皮につつまれ、当時の参宮や船や、お餅を食べる人々の様子が描かれた楽しい包装紙で大事に包まれている。
ここで売っているのはこのお餅一種類だけなのだが、月に一度、黒砂糖の餡の日があり、それもまた人気がある。

赤福もおいしいが、実はののはな一押しの、(ちょっと地味めの)伊勢土産である。


そうそう、余談だが、花子の通う小学校の校歌の歌詞は明治天皇がお作りになったものらしい。
天皇の作られたお歌を校歌として歌う学校なんて、全国的にも珍しいのじゃないかしら。





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Last updated  2006年11月10日 11時00分09秒
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