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野の花も日々あれこれ考える

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2007年01月25日
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カテゴリ:暮らしのあれこれ
柑橘類の中で一番好きなものは?と聞かれたら「グレープフルーツ!」と即答する。
フルーツ全部の中でも、間違いなくベスト3に入る。
それくらいグレープフルーツが好きだ。

私の実家は食料品店だったので、グレープフルーツは小さい頃からしょっちゅう食べていた。
もっとも昔は、今のように年中店先に並ぶ果物ではなかったし、果肉の赤いルビーも無かった。

それでは一体、どの季節にグレープフルーツが我が家の陳列棚に並んでいたのかと聞かれると、これはもう本当に全く覚えていないのだが、とにかく、他のフルーツの入っているものに比べると、ふた周りくらい大きくて、白地にカラフルな印刷(おそらくオレンジと黄色でSunkistなんて書かれていたのだと思う。)が施された少し異色なダンボールに入って入荷するいい香りのグレープフルーツを、店で使っているなかではもっとも大きく平たいプラスチックの青いカゴに盛るのを手伝わされる時期には、ほとんど毎日食べていたように思う。

手でむいて食べるのではない柑橘類は、なにかちょっとご馳走の雰囲気が漂っていると、いまだに思っている。
小学生だった頃の私にとっても、包丁で半分にすぱっと切って、スプーンですくって食べるフルーツは、とても贅沢な感じがして嬉しかった。
それに、フルーツにお砂糖や蜂蜜をかけて食べるというのも、初めての経験だった。

そのワクワクするような嬉しい気持ちを、私はいまだに自分の脳内に引きずっていて、スーパーマーケットで、いかにも中身がぎゅっと詰まっていそうな、皮の薄そうな、ずっしりと重いグレープフルーツを見ると、ついつい5個も6個も買ってしまう。
そしていつも、持って帰ってから、この大きなフルーツがキッチンでとても場所ふさぎな物であることに気付くのだ。

そんなわけで、我が家の子供達も再々グレープフルーツを食べさせられているうちに、この甘酸っぱくていい香りのフルーツが大好きになった。

でも、今は昔よりも輸入フルーツの種類も豊富になり、かの贅沢感たっぷりだったグレープフルーツもすっかり安くなり、「おなじみのくだものでございます」といわんばかりの庶民的な顔になってしまった
それで、少しでも私の味わった贅沢感を子供達にも感じさせてやりたくて、我が家ではグレープフルーツは、すっかり実と果汁を取り出して、器に入れて出すようにしている。

グレープフルーツ

こうして写真にしてみると、先日載せたトマトの蜂蜜に漬けたのと見た目がかぶる感がぬぐえないが、まあ、こういった感じで朝ごはんのサラダの代わりに出したりするのだ。

これだけ見ると「まぁこんなに手間のかかることを良くやるわ!」と思われるかもしれないが、これを作る時に大活躍するのが、今日の主役「グレープフルーツナイフ」なのだ。

グレープフルーツナイフ

もう15年は使っている大事な大事な道具で、どこで、いくらくらいで買ったものか、もう覚えていない。
しかし、はじめてこれを見たときは感動した。
これさえあれば、グレープフルーツの唯一の欠点である「実がとりにくい」こともすっかり解決するではないか。

先に、二つに切った実の、中の袋ぎりぎりのところに包丁の刃先を入れておき、その後このグレープフルーツナイフで皮と実の間にざくざくと切り目を入れる。
すると果肉は面白いようにコロリとはずれる。
後に残った果肉と果汁もスプーンですくって器に入れる。
最後は果汁を絞る。
すると、一個のグレープフルーツから写真のように一人用のサラダボウルいっぱい分ほども取れるのだ。

メロンを皮からはずす時も、このカーブがとてもうまくフィットするので、無駄が出ずに、なんどもスプーンで実をこそげたりしなくてもきれいに、しかもエレガントに(笑)食べられる。

こんなに便利な道具を、いったい誰が考えたのだろう。
ひょっとして、グレープフルーツ好きの多いアメリカでは当たり前の道具なのだろうか。
日本では残念ながら、キッチンツールのお店でもあまり置いているところがないようだ。
とくにこんな田舎では、出会うことはまずないだろう。
一生使えるように、大事にしなくちゃと思っている道具の一つである。





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Last updated  2007年01月26日 14時50分19秒
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