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野の花も日々あれこれ考える

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2007年02月18日
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カテゴリ:暮らしのあれこれ
父の見舞いから帰って、少しのどの調子がおかしいなと思っていたら、太郎のほうが先に咳をし始めて「ちょっと風邪をひいてしまったかもしれん」と言い出した。

今月末に学年末試験を控えているこの時期に、太郎に風邪をひいている暇はない。
なにしろ、この地域の公立高校の入試には、1、2年生の学年末の成績(5段階評価)が内申点として合否に関わってくるのだ。

これは大変と、眠くならない風邪薬を準備したり、部屋の加湿をしたり、カモミールティーやホットレモンを飲ませたりしているうちに、自分の養生をすっかり忘れてしまい、太郎の症状が治まり始めた頃、私はヘロヘロのヨレヨレだった。
咳は止まらないし、鼻は完全につまっているクセにずるずると流れるし、頭はぼーっとしていて、とにかくだるい。
ちょうど、高い熱の出る寸前のような状態が続いた。

それでも、実家の母や妹とはなんとか連絡を取り合い、父の病状と退院後の対策についてたくさん話し合った。
母からはできるだけ愚痴を聞き、妹からは客観的に見た父の状況を知らせてもらい、なにか改善する方法がないか考えたり調べたりしてみた。

実はここ数日、父は徘徊を始めていた。
夜中になると病室を抜け出し、他の階で看護婦さんに捕獲される。
そして「どうしてこんなところを歩いていたんですか?」と聞かれると「娘が来てるはずなので探してる」と言うようなことを言っていたらしい。
そして朝になると母に「昨日は警察が来て、住所や名前を聞かれてなぁ。なんでそんなこと答えなあかんねんと思って…」なんていっているそうだ。


担当の医師は、当初一ヶ月を目処に入院治療をということを考えておられたのだが、こういう状況になって、病室に閉じこもっているのは余計に脳をだらけさせてしまうということで、2~3日中に退院することになった。
母は担当医から「家庭で、できるだけなにかしら脳に刺激のあることを心がけてください。それから、暴力については覚悟してください。ものすごい力が出るので気をつけてください。」と言われた。


夜中の徘徊や今まで以上の暴力の可能性が出てきたということは、今までのように母一人で面倒を見るのには限界があるということだ。
私と妹が介護のローテーションに入って、定期的に泊り込み、母がゆっくりと休める日を作らなければ、たちまち共倒れになってしまうだろう。
「どんなふうに当番を組むか、一度ゆっくりと話をしなあかんな」と妹にメールをした。
妹からは「なにか脳に刺激を与えるものを探そうと思う。例えば若いとき好きだった落語なんかどうかな?」と返事が来て、その二つのことについて、私の風邪が治ったら、時間をとってゆっくり電話をするからということにした。


そんな中、小学校のPTAの新年度地区役員を決める会合があった。
学区内の各地区内で、PTA本部役員を一人、地区役員の会長・書記・会計の3人、計4人を新6年生の保護者から選ぶことになっている。
本部役員はPTAの幹部役員になるが、他の3名もPTAの各部の役員を兼任することになっている。

地区内の新6年生のいる家庭は、うち(花子が今度6年生)を含めて全部で9軒あるが、そのうち1軒は家庭環境から、役員などはできそうになく、会議にも来ていない。
もう1軒は、「はぁ?PTA?そんなん関係ないし。」というご家庭なので、会議に出席するとかしないとかいう以前に、まず連絡がつかない。
家の固定電話はなく、ケータイの番号が連絡網に載せられているが、自分が登録していない番号からの電話に出るつもりはないらしく、仕方がないのでここも除外。

そうして残った7軒の家庭のうち、3軒はまだ下のお子さんがおられる。
この地区はいわば過疎地区なので、年々子供の数は減っていて、その3軒の保護者の方々は、下のお子さんが6年生になった時には、間違いなく役員をしなければならないことが分かっている。
いくらなんでも、数年の間に2度も地区の役員は大変だろうということで、その方たちも除外する。

そうすると、残ったのはちょうど4軒。
会社員の奥さん一人と、おうちがご商売をされている奥さんが二人、そして専業主婦の私。
ちょうど全員がなにかの役にあたる計算だ。
やっぱりそうだったか…。
私は少し暗い気持ちになって、メンバーを見つめた。

だが、このときはまだ、意地悪をしてやろうなんていう気持ちは、私にはこれっぽっちもなかった。
ただただ、これから始まる会議が荒れたり長引いたりして、母と妹からかかってくる約束になっている電話の時間までに、家に帰れないようなことがないようにと、そればかりを心の中で祈っていた。

(つづく)





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Last updated  2007年02月20日 10時54分32秒
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