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偏屈たぬきのへそまがり投資日記

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Sep 15, 2017
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ㅤ今回は、ライツ・オファリング銘柄の結果について、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。前回途中経過について書いた、ADワークスのライツオファリングの結果について。

(前回の日記)
〇ADワークスのライツ・オファリング(途中経過)

(ADワークス関連の日記) 
〇ADワークス (その2)
〇ADワークス (その1)



1.ADワークスのライツ・オファリング

 前回のおさらいになりますが、

 ADワークスは、4月25日にライツ・オファリングの実施を公表。収益不動産の戦略的拡大などがが目的とのこと。

 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型)及び感謝配当(中間配当)に関するお知らせ
 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング及び感謝配当(中間配当)に関する補足資料
 ・ノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型) Q&A


 ADワークスの新株予約権は、1個につき39円の払い込みで1株取得できる権利。この39円はライツ・オファリング実施を公表した前日の終値で、初の行使価額ノンディスカウント型となっている。

ADワークスのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。

   4月25日:ライツ・オファリングの実施を公表
   7月 7日:新株予約権割当の権利最終日
   7月 8日:新株予約権割当の権利落ち日
   7月13日:新株予約権上場
   7月13日~9月12日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる)
   7月20日:新株売却可能日(証券会社によって異なる)
   9月 5日:新株予約権上場最終日



2.株と新株予約権の値動き

  新株予約権上場後の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。


注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を入手し権利行使価格(39円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。
  (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。
  7月20日を新株売却可能日としているのは最短の場合、実際は証券会社によって異なる。
  

 この間、7月24日に第1四半期決算を公表。事前に公表していた見通しどおりの大幅増収大幅増益の内容。

 また、期間最終盤の8月31日の朝方8時40分に第2四半期の業績見通しを公表。増収大幅増益の内容ながら、第1四半期の勢いがやや鈍化していることや、ライツ期間最終盤ということで期待が先行していたことから、材料出尽くし的に株式、新株予約権ともに売られた。

 そして、新株予約権の上場最終日には、終日1円売り気配で大引け比例配分という惨状となった。


 また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。




 
なお、新株予約権割当の権利最終日の7月7日の終値が46円なので、権利落日の7月10日の基準価格は(46円+39円)/2 = 42.5円
 上記のチャートでは、両日の間で、46円/42.5円=1.082倍の株式分割が行われた扱いとなっている(7月7日までの株価を分割率で割り引いて表示)。



3.失敗の軌跡

 ライツ・オファリング3度目のADワークス。
 満を持して、ノンディスカウント型に挑んだものの、結果は惨憺たるものだったと言わざるを得ないだろう。

 今回のノンディスカウント型ライツ・オファリングは、
 公表時の株価である39円を払い込めば新株を1株取得できる新株予約権を、1株につき1個割り当てるというもの。
 いきなり株数を2倍に増やし時価総額も2倍以上を狙うという極めて野心的なものだった。

 その野心的な目標を実現するため、ADワークス社は、
 ライツ・オファリング実施公表とあわせて、立て続けに以下の株価てこ入れ策を実施。
 ・感謝配当なるものの実施を公表(4月25日):中間期(9月)に1.65円の配当
 ・太っ腹な優待制度の創設を公表(5月15日):6月末、12月末の株主に優待
 
 また、期間最終盤の8月31日前場寄り前には、この時期を狙いすましたかのように、​好調な第2四半期業績見通しを​公表した。
 
 
 ライツ・オファリングによる増資は、新株予約権の保有者が権利を行使してこそ成功する。
 そのためには、権利行使価格を株価が上回っていることが必須条件。

 今回、ADワークス社も上で見たように無理筋なものも含めてかなり株価対策を行ったものの、
 序盤戦で力を使ってしまい、特に重要となる終盤戦が手薄だった感がある。

 おそらく会社側は、ライツ・オファリング公表時に39円だった株価を、まず40円台半ばぐらいまで引き上げたうえで、最後の中間期業績見通しでダメ押しをする算段だったのだと思うのだけど、

 会社側の誤算が2つほどあったのではないだろうか。

 まず、新株予約権上場2日目から、新株予約権主導で急騰し所有者の構成が崩れてしまったこと。
 そして、最終盤に公表した好調な業績見通しはほぼ正直ベースのものだと思うのだけど、ライツ・オファリング終盤の会社側開示資料は話半分程度に受け取る投資家が多くポジティブな反応にはならなかったこと。

 その結果、ライツ・オファリング史上最悪の新株予約権上場最終日に終日1円売り気配という惨憺たる状況となった。

 権利行使率の
公表はこれからだけど、前例のない低行使率にとどまった可能性もあると思う。

 そもそも、ノンディスカウントでいきなり株数を2倍に増やし時価総額も2倍以上を狙うというのが大胆過ぎたのかもしれず、少し控えめに新株予約権5個で1株取得できる程度(株数1.2倍、時価総額1.2倍以上)にしておけばよかったのかもしれないな、とも思う。



4.私はこうしてみた

 私はというと、もともとADワークスの株式は割と多く保有していたのだけど、株は新株予約権の権利落ち日に全て売却。新株予約権は割当て分と上場初日に購入した分があったけど、なぜか直後の急騰したので大半を有り難く売却してみた。

 その後、終盤にかけて新株予約権が5円を下回ってきたあたりから買い増しをし、最後は1円売り気配の比例配分も買ってみた。

 私としても、最終盤の価格の推移は誤算だったのだけど、最後に持っていた新株予約権は全て株式に転換。
 その結果、ADワークス株が再び主力上位となってしまったのだけど、今後どうなることでしょうか?




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Last updated  Sep 16, 2017 05:37:35 AM
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